白衣の帝王

□天からの嘲笑
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なまえは寒さに身を丸めながら、寮への道を歩いていた。天は厚い雲に覆われている為、月明かりさえ無い。雪が降っているのだ。さらにどういう訳か急に風は強くなっている。



―――くそう。



私はついさっき、地面に付き落とされたことを思い出す。
そして、リドル先生によるゴミでも見下ろすかのような表情を思い出す。ひたすら無表情に、影の掛かった光の無い瞳で見下すのだ。


“身の不運”という俗な言葉が、今日ほど骨身に徹したことはない。


ありとあらゆる理不尽へぴーぴーぶーぶー思っていたい心境なのに、強い風がそれを遮る。

図々しいこの強風は、私の髪を左から真ん前にさらっては、重力がそこに移動したか!?というくらいに引っ張ってハタメかせる。


天を睨んだ。


「悪趣味な神様め!厭ぁなものを殊更に与えやがって……!」


なまえはギュッと両目を瞑る。


「神様の悪趣味!意地悪!ナンセンス!!見てるんだったらこの雪止めてみろーちくしょー!!」



うわんと天へ向けへ嘆けば










―――シン。








と一瞬風が止まった気がした。


あれ……?と思うよりも早く、今度は髪が後ろに流れて


ブワリと、前方より強い風。



やはり気のせいかよちくしょうめぇとなまえは寒さに肩を上げた。








           



















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