ハリポタ

□Halloween!!
1ページ/1ページ


「Trick or Treat,お菓子をくれなきゃ、悪戯しちゃうよ」

囁かれた声にヒヤリとして、体ごと振り返った。
するとそこには、一歩、二歩と下がりながらニヤリと笑うリドルが居た。
……ねぇ、今何時だと思う?息をするように叩き起こしてきたけど深夜0時ちょい過ぎだよ信じられる?つまり、31日になった瞬間なんだぜ。信じられるかよハッピーじゃねーよねみーよつれーよハロウィン。

「……まーた勝手に実体化してる。君はさっさと日記帳に戻りなさい」
「へぇ、命令口調なんだ?」
「もうやだこの子……」

こんな生意気なのに私のが年上なのよ?
本当に何様なのよ所詮日記帳なんでしょう?普通日記帳って人畜無害なんじゃないの?

「こうしてる間にも人の魔力もぐもぐ消費してるくせに」
「でも君の魔力を消費してるわけじゃない」

リドルは私が言い終わるか終らないかの所で私の唇に人差し指を当て、被せるようにそうぴしゃりと言った。
何この腑に落ちない回答。
大体何だよ、魂が入ってる日記帳って。ホークラックス?ラスク?何それおいしいの?

「全く。帝王の僕はどうしてこんなアホを匿っているのか……」
「そう思うならさっさと出て行ってください。眠いんです。寝たいんです。」
「駄目だよ。さっき言ったじゃないか、お菓子をくれないと悪戯しちゃうって。」

はいはい。それはつまりお菓子をあげれば無害なんですね。

……。

しまった。
まずい、
お菓子なんて持っているはずがない。

いつの間にかリドルはベッドに腰掛けてニコニコと微笑んでいる。

……あー……

悪戯する気満々じゃないのかな。

悪戯と言う名の殺人に近い何かを。



ベッドの上で上半身の身を起こす姿勢だった私は、顎の下まで毛布を持ってくる。まるで何かに逃れるよう、身を隠すように。

クソっ。
ハロウィンのことリドルが触れてくるなんて、思ってもいなかった。
大体、『ハロウィン?君はそんな低俗で幼稚なものに興味を持つのか?』とかそんな感じで小馬鹿にするもんだと思ってた。


……ん?



そうか、それだ。ソコを突けばいいのだ。




「あっれー?リドルって、意外とハロウィンとか興味あるの?そんな子供じみた真似僕はしないよ的な感じで蔑むもんだと思ってたよプププー」
「君はどうなんだい?」
「―――えっ?」

虚を突かれてキョトンとした私に、リドルは不敵に笑った。

「そう豪語するということは、きみは誓えるね?――自分は決して、お菓子をねだらないと。」
「っ!?」
「お菓子なんか、要らないと」
「そ、それは……」

すっかりリドルにペースを奪われ詰め寄られるなまえは、気付いていない。
微妙に論点をずらされていることに。

リドルはギシリ、とベッドに手を付いて、なまえに顔を近づける。
なまえはいよいよ上までシーツを持ち上げて、目を背けて顔を隠す。
リドルは無情にもなまえの手を掴んではシーツもろとも押さえつける。

「じっ、実を言うと楽しみにしてました!お菓子貰うのワクワクしながら寝てました!」

半ば叫ぶように白状したなまえに、リドルはクスリと笑った。

「よろしい。だが……」

パタリと、なまえをベッドに押し倒す。
えっ?と目を丸くしたなまえを、リドルはジッと見つめる。
口元が弧を描く。


「結局は、お菓子をくれないという事だよね?」
「え、あ、」
「――悪戯、決定。」


良い悪人スマイルっぷりに、なまえは冷や汗を流しながら引き攣った。
えへ、えへへとかなり引き攣った笑顔で、なまえが口を開く

「リリリ、リドルさん?悪戯って、何をするのかなーなんてー……」
「……僕の口から、聞きたい?」
「え!?あ、いや、聞きたくな――聞きたくないっていう、か―――!?」

リドルが、なまえの首筋に顔を埋める。

「リドルさん!?や、はなせっ!!」
「うるさい、よ」
「ひゃっ――!?ちょ、卿!偉大なるわが君ィ!!」
「何事だ貴様ら静かにせんか!」


ババーン!と登場した我が君に、なまえは希望の眼差しを向け、リドルは舌打ちしながら思い切り顔をしかめた。実を言うとこの我が君ことヴォルデモート卿、『偉大なる我が君』と言う言葉に反応し鼻ちょうちんが割れました。

な、貴様何をしている!と言う声に、なまえはヴォルデモートの元に素早く走り込みダッシュし、バッと背に隠れる。

「卿!!とりっくおあとりーとっ!」
「あ!?」

背に隠れるなりそう叫んだなまえに、ヴォルデモートは当然ながら戸惑った。そして露骨に驚いた声を出した。そしてなまえの発音が酷い事が気になった。
なまえはそんなことなどお構いなしにバシッとリドルを指さす。

「お菓子持ってないなら悪戯して!日記のリドルに!!」
「なっ!?」

今度はリドルが驚く番だった。
お菓子をくれないので悪戯しろとはどういうルールだ。

「君、そんなルール認めないよ」
「ハン!ルールなんて破る為にあるんですー!ねぇ、卿?」
「そんなときだけ悪に染まるなんて虫がいいんじゃない?そうでしょう?帝王の僕」
「あ!何味方につけようとしてんの!」
「先に味方につけようとしたのはなまえじゃないか」
「別に味方につけようとしたわけじゃないですー。リドルと違って同意を求めただけですー。」
「帝王の僕は僕自身。つまり僕の場合は自問自答をしただけの事さ」
「……?……??」
「(フッ)何混乱してんの?」
「っ!う、うるさい!!」」
「君が煩い」

「お前らどっちも五月蠅い!早く寝んか馬鹿者!」



------------------
ハロウィン昨日でした^p^
一歩行動の遅い、私です!

初ヴォル様。と、日記なリドル。

*おまけ*
因みに学生リドルだとこんな感じ↓

「ハロウィン?あぁ、犯罪行為を無条件に正当化できるあの行事ね。」
「それ私の知ってるハロウィンと違う。」



    

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ