ストレイト!
□07.
1ページ/1ページ
―――そう告げた瞬間、
左手の小指に不快感があった。
ゆっくりと爪が浮くような……
「いぃ!?ってててて!!」
あわてて剥がれるような動きをし始めた爪を押さえつける。
陰湿!!攻撃のチョイスが陰湿!!!
さっき『君を傷つけることはしないよ』とかなんとか言ったじゃねーか!
思い切り睨み上げれば、杖を弄びながらじっと見下ろしているコイツ。ちょ、口角微かに上がってる!
「さあ、もう一度問おう。」
杖を弄んでいた長い指が、ピタリと止まる。
杖先でボクの顎に触れ、そっと顔を上げる。
「さっきの答え、善処の意味は?」
真っ直ぐに見つめる瞳。
ボクも見上げる。ぎこちない無理な微笑みを浮かべれば、口角がヒクつく。
「―――あなたの、ものです」
君と僕が声を交わす
(二人の微笑みの、異様な差異。)