ストレイト!

□07.
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―――そう告げた瞬間、
左手の小指に不快感があった。
ゆっくりと爪が浮くような……



「いぃ!?ってててて!!」


あわてて剥がれるような動きをし始めた爪を押さえつける。
陰湿!!攻撃のチョイスが陰湿!!!
さっき『君を傷つけることはしないよ』とかなんとか言ったじゃねーか!

思い切り睨み上げれば、杖を弄びながらじっと見下ろしているコイツ。ちょ、口角微かに上がってる!



「さあ、もう一度問おう。」


杖を弄んでいた長い指が、ピタリと止まる。
杖先でボクの顎に触れ、そっと顔を上げる。



「さっきの答え、善処の意味は?」



真っ直ぐに見つめる瞳。
ボクも見上げる。ぎこちない無理な微笑みを浮かべれば、口角がヒクつく。


「―――あなたの、ものです」













君と僕が声を交わす

(二人の微笑みの、異様な差異。)










               

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