短編
□Silence
1ページ/2ページ
――リンが死んだ。
死んだ・・・っていうのはおかしいかもしれない。
機械に命は無いのだから。
でも、寿命はある。
ある日突然話せなくなる。
VOCALOIDにとって話せないのは致命的。
さっきマスターからリンをアンインストールすることを聞かされた。
「なんでっ・・・なんで、俺じゃないんだ。」
どうしてリンだけなんだ。
どうして俺の声も奪ってくれなかったんだ。
俺は・・・俺たちは2人でないと生きることが出来ないのに・・・!
静かだ・・・此処はこんなにも静かな場所だったか?
〈リンがが隣にいてくれないから・・・。〉
君が俺に音を与えてくれていた。
君だけが・・・俺の音だったんだ。
「神様・・・どうか・・・どうか、俺の声をリンに与えてください・・・。」
その声は静かに雪の中に消えていった――・・・。
〈レン・・・私はいつまでもレンの傍にいるから・・・泣かないでよ・・・。〉
end...