短編

□素直じゃない彼
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「レン、待ってよ!!!」

・・・最近、レンに避けられてる気がする。

「待ってって・・・!!」

何度読んでも振り向いてくれないレン。

「リン〜・・・いいじゃん。そんなヤツほっといて一緒に帰ろうぜ?」

そう言ってきたのは同じクラスのリントくん

「でっでも・・・。」
「・・・そいつと帰ればいいじゃん・・・。なんで俺に付き纏うんだよ・・・。」

・・・こんなにキツイ口調で拒絶されたのは初めてだ・・・。
やっぱ・・・私のこと嫌いになったのかな・・・?

「・・・俺にもう構うなっ・・・。」

そう言ってレンは走り去ってしまった。

「ハァ・・・。」

あの後・・・リント君と帰った。

「なにか私・・・悪いことしたかな・・・。」

小さい頃からずっといっしょにいてこれからも離れることなんて無いと思ってた。
そのために高校も同じにしたのに・・・。

「嫌だよ・・・ずっと一緒にいたいよ・・・。」

この思いがレンに伝わればいいのに・・・。」

次の日、学校を休みたい気持ちを押さえつけて家を出るとレンと鉢合わせた。

「おはよ・・・。」
「・・・・はよ・・・。」

挨拶もしてくれなくなった。

「一緒に学校行こうよ。」
「・・・昨日言ったよな。纏わり付くなって・・・ウザいんだよ!そういうの・・・。」
「レン?・・・なんで?」

堪えてた涙が溢れ出してきた。
レンは一瞬びっくりした顔をしたがすぐに走っていってしまった・・・。

学校には行く気にならず休んだ。

起きたら空はオレンジ色になっていた。・・・寝ちゃってたんだ。

ご飯を作ろうと立ち上がったらチャイムの音が聞こえた・・・。

「?・・・だれだろう。」

開けるとそこには・・・レンがいた。

「リン・・・。」

久しぶりにレンから私の名前を聞いた気がする。

「朝は・・・ゴメン。」
「・・・全然・・・気にしてないよ?ごめんね!もう付き纏ったりしないから・・・!!」

また・・泣いてしまいそうだったけど・・・堪えた。

「違う・・・怖かったんだ。」

怖い?・・・なにが?

「リンが・・・高校生になって、かわいくなって・・・。」

え?・・・どういうこと?

「リントと仲良くなって・・・リントのことが好きなんじゃないかと思って・・・悔しくて、でも素直になれなくて酷いこと言った・・・本当に・・・ゴメン。」

じゃあ・・・

「レンは私のことが嫌いになったわけじゃないの?」

「当たり前だろ?」

つい、レンに抱きついてしまった。

「レン・・・大好き!」
「俺も・・・付き合ってくれないかな?」
「・・・喜んで!!」
「うん・・・ありがとう。」
「そういえば・・・いきなりなんで謝ったの?」
「それは・・・リントに言われて・・・。」
「リント君が?」
「うん・・・実は・・・」

学校に着くとリントが俺に話しかけて来た。

「・・・リンからメールが来たぞ?‘学校休む'って・・・。」
「ふーん・・・それが?俺にはこんなメールもくるんだぜーっていう自慢?残念だね・・・おれにはそんなの・・・」
「お前がなんかしたんじゃないのか?」

怒ったような口調で言われて少しびっくりした。

「俺はリンのことが好きだっ!リンが苦しんでるなら助けになりたい!」
「うるさいな・・・そうだよ・・・俺がリンを泣かした!」
「お前っ!!!」
「俺だって・・・俺だってリンのことが好きだ!でも・・・酷いことを言った!リンは俺のことを好きになってくれるわけ・・・っ!!イッテェ・・・なにするっ!」

リントがグーで殴ってきた。
そして、胸倉を掴んでこういった。
「リンはお前のことが好きなんだよ!なのにお前は・・・!!」

リンが?・・・俺のことを好き?

「馬鹿言うな!!俺のことが好きなわけっ!」
「じゃあ、一緒に帰ろうなんて言わないだろ?」
「・・・本当か?」
「ああ・・・。」
「でも・・・お前・・・リンの事好きなんだろ?いいのか?」
「俺は・・・リンの笑顔が好きなんだ。もし・・・またリンを泣かせるようなことがあれば・・。」
「・・・言われなくても分かってるよ。」
「ああ・・・。」


「・・・そんなことがあったんだ。・・・って殴られたところは大丈夫なの?」
「ん?・・・あぁ・・・もう大丈夫だ。」
「よかった・・・。」
「・・・リン今までゴメンな?」
「いいよ。」

ずっと一緒にいよう。

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