短編
□恋の駆け引き
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「レンく〜ん!!!」
そういって俺に飛びついてきた先輩。
「一緒に帰ろ?」
「・・・いいですけど・・・先輩・・・ここ学校ですから離れてください。」
「え〜?ヤダよー!レンのこと好きなんだもん!」
・・・うれしいけど・・・・恥ずかしい。
俺は今年この高校に入学した。
凛花先輩は1つ上の2年生だ。
入学式でなぜか気に入られて今の関係になる。
凛花先輩はかわいいし面倒見もいいし・・・モテる。
だから俺は学校の注目の的だ。
さっきから男子からの視線が痛い・・・。
「先輩っ離れてください!」
「むぅ・・・はいっ!」
結構潔い・・・温もりが無くなって寂しい・・・。
もうちょっとあのままでいたかったな・・・。
俺は先輩のことが好きだ・・・。
でも・・・ライバルも沢山いるし・・・先輩から嫌われたくない・・・。
「どうしたの?レンくん。難しそうな顔して・・・。」
そういって首をかしげる先輩・・・やっぱかわいい・・・。
「いや・・・なんでもないですよ?」
「そ?ならいいけど・・・。」
次の日、授業も終わり放課後・・・いっつもはHRが終わったらすぐに来てくれる先輩が来ない・・・なんでだろう。
俺は気になって3年の教室に行ってみた。
「先輩は・・・。」
教室のほうに行ってみると声が聞こえた。
「俺・・・のことが好きなんだ!」
告白?・・・だよね。
覗いてちゃダメなんじゃ・・・。
離れようとした瞬間、聞きなれた声が聞こえた。
「ごめんなさい・・・私、好きな人がいるから・・・。」
・・・凛花先輩だ・・・!!
先輩・・・好きな人がいるんだ・・・。
じゃあ・・・俺に望みなんて無いじゃん・・・。
帰ろう・・・。
「・・・レンくん?」
「え?・・・先輩。」
しまった・・・バレちゃった・・・なんて言い訳しよう・・・。
「もしかして・・・見てた?」
「え?・・・ハイ・・・すみません。」
「・・・帰ろっか?」
「え?!」
・・・さっきから先輩は早足で無言で歩いてる。
・・・怒ってる・・・のかな・・・?
「あの・・・。」
「ん?なに?レンくん。」
「覗いてすみませんでした・・・。」
「別に怒ってないよ?」
「あの・・・。」
「何?」
聞いてはいけない気がしたが気になったので聞いてみた・・・。
「先輩が好きな人って誰ですか?」
「・・・・それは・・・。」
中々教えてくれない・・・。
もう・・・一か八かっ!!
「あの・・・俺と付き合ってください!!」
言った・・・どうせフラれるんだろうけど・・・。
「・・・やっと言ってくれた。」
「・・・え?」
やっと・・・って・・・?
「私もレンくんのこと好きだったんだよ?でも・・・やっぱ告白は男の子の方からして欲しいじゃんっ!!だから待ってたの!」
「・・・・先輩・・・。」
「大変だったんだよ〜?告白いっぱいくるから!」
「・・・すみません。」
「告白してくれたからいいよ!」
・・・こんなことだったら早く告白したらよかった。
「レン君がこんなにへタレなんて思って無かった・・・。」
・・・へタレって言われた。
「これからもよろしくね!レン!」
「!!!!・・・ハイ・・・。」
END