All For One One For〜…

□All For One One For〜…
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 ペタッと階段にスリッパを乗せる運動を繰り返し、階下に降りていく。
 考えもなしに歩いていると、たくさんの友人を連れた校則や先生に反発しがちな人らに蔑んだ瞳で見られたので、目的を持たないと精神も保たないと思った。
 しかしいざ動いてみると、何がみたいのか、何がやりたいのかさっぱり見当がつかない。
 茶道部のお茶菓子も既に在庫切れ。一年生の作った似非お化け屋敷は迫力がないとすれ違う人々から聞いている。じゃあ舞台発表でも見に行くかと思ったが、自分の嫌いなパンクな曲がガンガン響いてて、ものの数秒で俺は校舎へ引き返した。

 はぁ…。と、生暖かい空気を口から放出しあてもなく校舎を歩く。俺って貧乏性なのか? 何かしてないと落ち着かないとはつくづく変なヤツだ。前はそんなことなかったんだがなぁ。この進級してからの半年で騒ぎすぎたか。
 「仕方ない。もう終わってるだろうけど…。」
 俺は一番下の階へと足を進めた。
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