第一本棚

□○忠誠
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孟徳が何を見つけたかなど、俺にわかるはずはなかった。


興味深いものを見つけてな


視察から帰ってきた俺に、孟徳は言った。
それから、酒飲み始めやがった。
なんだってんだ…

「おい、孟徳…」
「どうした。そんなに気になるのか?」
相変わらずのニヤニヤ笑い。
夏侯惇は目を背け、腕を組んだ。
「おまえが変なこと言うからだ」
その横顔がなんだか面白くて、曹操は笑い出した。
当然、夏侯惇は撫然とする。
「何笑ってるっ」
「いや…おぬしがそういう顔をするのは久しぶりだと思ってな」

それでなんで笑う…

「元譲」
字を呼ばれて、夏侯惇は曹操を見る。
先程とは違う、柔らかい笑み。

おまえのその顔の方が久しぶりだ…

「今日はおぬしに会いたかった」
杯を置き、夏侯惇の前に立つ。
その首の後ろに手をまわし、強引に引き寄せて口づける。
久々の行為に、夏侯惇は恥ずかしくもあり、嬉しくもあった。
「今宵は楽しませてもらうぞ」
唇を離して、曹操は囁いた。
勿論、夏侯惇は紅い顔を背ける。
「馬鹿言うな。俺は疲れてる…」
曹操は首筋に舌を這わし、襟元を寛げる。
「孟徳っ…」
「嫌がるおぬしも、なかなかよい」
胸に所有の証を残しながら、両肩を露にしていく。
「やっ…やめろ…」
躰を離そうとするが、突き放すことなどできるはずがない。
既に躰が求め始めていた。
「元譲…」
小さく呟いて、胸の突起を口に含む。
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