小説

□魔王の名は……。
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★★
「あ、爺さんっ!半…いや、ほとんど素っ裸の包帯男来なかった!?」
ウィードが玄関から外に飛び出す頃には、例の二人はもう移動してしまっていた。
しかし小さな村のことである。あんな連中はよく目立つ。
「あア〜?あーそんなら……お前の畑の方に…」
「ギャーーッ!俺の畑〜っ!!」
野良仕事帰りの爺さんは、あまり歓迎したくない事態を快く教えてくれた。
そう、奴等は狙いすましたかの様に、ウィードの畑の上で規格外の大暴れをしていたのだ。
羽もないのに根菜葉菜果菜の類が空を飛び、地面が必要以上に凹んでいる。
「頼むよ〜…もうやめてくれよ〜〜っ」
ウィードは叫んだ。
しかしいつの時代も農民の悲痛な叫びは無視されるもの……。
奴等はお構いなしで暴れ続けるかと思われたが、再び響いた轟音と共にチェグは地面に叩き付けられ、二人の動きは止まった。
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