天使系小説

□蠅の街3
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翌朝、ヨセフは激しい空腹に見舞われていた。
大学生の彼は一人暮らし。忙しさ故に朝食をとらぬのが常であったが、今日は朝抜きではとても大学…いやバス停にも行けそうにない。
朝一番の講義は諦めるしかなさそうだった。
ヨセフにとって久々の朝食はとても美味しく感じられ、夜の分もと多目に作ったにも関わらず全て平らげてしまった。
そして歯を磨きながら見た時計の指す時間と来たら…。
「うわっ、マズイよ!」
神よ救いたまえ!!次の講義は遅刻したらどんな目に遭うかわからない。あの教授の恐ろしさと来たら、サタンだってもう少し優しいに違いないと評判になる位なのだ。



「ヨセフ!珍しいじゃないか、Mrs.エミリーはもう来てるぜ?」
「まっ…まだ結婚なんてしてないってば!」
「こいつ、『まだ』とか言ったぜ!ははっお熱いね〜」

地上のサタン、ティンパーの講義にはなんとか間に
合ったヨセフだったが、悪友共に捕まってからかい倒されることになった。とんだ災難である。
明るい声の響く渡り廊下の向こうからはエミリーもやってきて、二人はいつものように昼食をとることになった。
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