お題
□10.誕生日のプレゼント
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「お誕生日おめでとう」
今日はあたしの誕生日。
誰が一番にあたしを祝ってくれるのかとワクワクしながら学校に着いたら、予想してなかった人から一番のおめでとう。
「手塚…ありがと」
一番は英二か桃が大声で言ってくると予想してたあたしは、少し驚いた顔で答えた。
「…俺の顔に何か付いているのか?」
「え?ううん。別に…」
驚きのあまりあたしは手塚の顔を凝視してみたいだ。
そしたら、手塚からもっと驚きの一言。
「プレゼントも用意してある。部活が終わった後の時間、俺にくれないか?」
少しいつもより顔が強ばってるのは、緊張しているせいなのか。
「う、うん。喜んで!!」
あたしは部活後に英二たちに誘われていたのを心の中で断った。
「そうか、それならよかった」
心なしか手塚の顔が緩んだのを心の中で喜んで、あたしは手塚に言った。
「あたし、手塚に一番におめでとうって言われて嬉しかった」
そしたら手塚は、あたしにゆっくりと最高のプレゼントをくれた。
「放課後、楽しみにしている」
そのままコートに向かった手塚。
残されたあたしは一人、顔が緩むのを我慢できなくて。
放課後が最高に楽しみになったのは、手塚の唇のぬくもりが予想以上にあったかかったからだと、
一人、はにかんだ。
それは、手塚からの誕生日のプレゼント。
†fin†