お題

□6.台風の夜
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ーただいま、暴風警報発令中。―





台風の夜





「りょ、亮…。あたしの嫌いなもの言ってみて」




締め切った窓の外からは、風と雨が叩きつける音で騒がしい。



「台風が嫌いなんだろ?」



今いる部屋の持ち主の亮が、眉間にしわを寄せながら答えた。



「そう、大当たり。
…それはすごく有名な話なのに、何でこんな日に限ってうちの家族はあたしを置いて旅行になんか行ってるのよー!!!」




あたしは亮から奪い取ったベッドの上で、自分の部屋から持ってきたクッションを抱きながら叫んだ。



「…それはそうかもしんないけどよ、何でお前俺の部屋来てベッド占領してんだよっ」



仕方なく床に座っている亮がうらめしそうにあたしを見る。



「なっ、女の子をたとえ絨毯が敷いてあるとはいえ地べたで寝させるつもりっ?!」



「はぁっ?!お前、泊まんのかよ!!」




亮はびっくりした顔で、ものすごく眉間にしわを寄せた。




「だってさ…家に一人とかイヤだもん」



家族がいても台風が怖いって言うのに、一人だなんて。
朝には死んでる気がする。



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