P5 Story

□空を見上げれば3
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僕、神谷優治(かみやゆうじ)
は、2年前の冬に
父、母、姉の
大切な家族を
交通事故で失った。

幸運なことに
僕一人だけ
一緒にいなかった
ため助かったのだ

しかし今思うなら
僕も一緒に
死んだほうがよかったのかもしれない

俺を引き取った
おじさんとおばさんは
保険金目当てで
俺を引き取った。

学校から帰ると
部屋中をあさっている
おじさんとおばさんを
見てしまった。

思い浮かんだのは
牧原先生の顔。

俺は、先生に会いに
アメリカに
一人で飛び立った。

アメリカの空港で
迷子になっている
優治は運良く
牧原に出会った。

牧原と一緒にいた
アメリカ人のグレン
と向かった先は
音楽スタジオ。

そこにいたのは
日本でも売れて来た
人気バンド、
SEVEN STARS の
メンバーだった。

そのメンバーの
ベージストは
なんと牧原だったのだ。










空を見上げれば3









「おい、優治、
なんか言えよ。」

「あまりに色々
ありすぎて、
よくわかんない。」


大好きで尊敬
していた先生は
その頃の面影が
まったくと言って
いいほど、
なくなっていた。

でも、そこには
新しい牧原がいて
家族を失った
優治に、刺激を
与えたのは
間違いない。

アメリカに
来たのは
後悔していない。

ここでなら
前向きに
生きていけると
思った。

「All.
I introduce him.
This child is
Yuji of my student.」
(皆、紹介する
こいつは俺の教え子
の優治だ)

「Hi! Yuji.
Nice to meet you
I'm Jeff.」
(やぁ。優治
はじめまして
俺はJeff)

そうやって
メンバー全員の
紹介を受けた
後に解散になった。

優治はもちろん
牧原について
車に乗り込んだ。

「Good bye.
Everyone.」
(じゃぁな皆。)

「Get along well
with Yuji.」
(優治君と
仲良くね)

そうして
牧原の車は
走り出した。

助手席に座る
優治に牧原は
こう言った。

「I must be
the light
when you're
in the dark」
(君が闇に
さまようときは
俺が明かりに
なってやる)

「え?なんて言った?」

「この程度の英語
も聞き取れないなんて
まだまだだな。」

「なんて言ったか
教えてよ。」

「自分で辞書を引け」

「ケチ…」

「とにかく、
アメリカに来たんだ。
俺が責任持って
面倒見てやる
から安心しろって
ことだ。」

ふいに放たれた
優しい言葉に
優治は
泣きたくなった。

家族が死んで以来
こんなに安心
できる場所に人
はいなかった。

見知らぬ土地
アメリカで
まさかこんなに
自分が前向きに
なれるとは
思わなかった。


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