P5 Story

□空を見上げれば2
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僕、神谷優治(かみやゆうじ)
は、2年前の冬に
父、母、姉の
大切な家族を
交通事故で失った。

幸運なことに
僕一人だけ
一緒にいなかった
ため助かったのだ

しかし今思うなら
僕も一緒に
死んだほうがよかったのかもしれない

俺を引き取った
おじさんとおばさんは
保険金目当てで
俺を引き取った。

学校から帰ると
部屋中をあさっている
おじさんとおばさんを
見てしまった。

思い浮かんだのは
牧原先生の顔。

俺は、先生に会いに
アメリカに
一人で飛び立った。









この作品を読む前に
「空を見上げれば」
を先に読むと
分かりやすいです。









空を見上げれば2










どれくらい眠ったのだろう
あたりは暗い。

機内にいる人は
眠っている人が
多い。

窓から外を見ると
真っ暗な世界。

まるで優治の
心の中を表すようだった。


(先生…今、何してるんだろ)



キャビンアテンダント
にあとどれくらいかを
聞いたところ
まだまだ先は長いことを
知った。

アメリカは遠いな…


果てしなく続く闇は
優治をまた深い眠りに
連れ戻した。










次に目を覚ましたのは
着陸する10分ほど前だった。

「まもなく当機は
着陸態勢に入ります。
お席をお立ちの方は
席にお戻りいただき
ベルトをお閉めください。」


(もう、アメリカか…)


高度が下がっていくのを
体で感じながら
未知の世界、アメリカに
優治はどんどん
近づいていく。

牧原についての情報は
手紙に書いてある
住所しかない。

でも、なんとかなると
思っていた。

不安よりも期待だった。

家族を失って
からの絶望しかない
暗い人生。

アメリカに行けば
少しは何かが変わるかと
思った。

このアメリカに
行くという行為が
独りになってからの
1番積極的な
行動だったと思う。

窓の外には
日本とそこまで変わらない
街の光があった。

でもそこは日本じゃない。

同じ独りだけど
意味が違う…。

優治は窓の外を見て
久しぶりに笑った気がした。



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