P5 Story

□空を見上げれば
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「ねぇお母さん
この人がね新任の
牧原先生。
いつも苦手な英語を
教えてくれてるんだよ
先生、これ、うちの
親。」

「はしめまして
優治の母です。
いつもお世話になってるみたいで
ありがとうございます。」

「いえ、とんでもない。
授業はまじめに聞いてくれるし
僕の目の届かない
ところでいろいろと
フォローしてくれてて
本当に助かります。」









今日も夢に出てきた。

今日は母さんだった。

そして必ず出てくるのは

牧原先生だった。









僕、神谷優治(かみやゆうじ)
は、2年前の冬に
父、母、姉の
大切な家族を
交通事故で失った。

幸運なことに
僕一人だけ
一緒にいなかった
ため助かったのだ

しかし今思うなら
僕も一緒に
死んだほうがよかったのかもしれない


僕を引き取ったのは
親戚のおじさんで
そのおじさんは
家族の保険金目当てで
僕を引き取った。

弁護士の勧めで
保険金がおろせるための
通帳と印鑑は銀行の
貸し金庫にいれてる

それなのに
おじさんとおばさんは
俺が学校に行っている
間に部屋を探しまくっているのは
だいたい見当がついた。


まるで保険金が
なかったらお前なんて
引き取らなかった

と言われているようだった
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