P5 Story

□HAYATO
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「お願いします。
採用してください。

これが採用
されないと
これから
生活していけないし
借金も返せない。」

「無理なものは
無理だ。
だいたい、
君の書いた
この小説、
ホラーだよね?
ホラーなのに、
なんで最後に
主人公が死ぬんだ?
たいていのホラー
は主人公が
生き残ってる。
君の小説は
型はずれだな。
しかも主人公が自分で
飛び降りるんだぞ?
ホラーじゃなく自殺物
じゃないか。
悪いが他を
あたってくれ。」

「いえ、ここが
最後なんです。
他にも全部
断られて…」

「じゃ、うちも
お断りします。」

俺、福島 隆一
(ふくしまりゅういち)
は、編集者の
編集長を務めている。
歳は26歳。B型。
歳のわりに
早すぎる出世であった。

さっき、うちに
ホラー小説を
売り込みにきたやつは
菊池 勇人
(きくちはやと)
以前から何度も
売り込みにきているが、
いまひとつ
いいものがない。
今回の小説の内容も
平凡なホラーで、
1人目の被害者は、
駅のホームから
足を引きずられ
転落、即死。

2人目は、
部屋のクローゼット
の中に引きずり込まれ
中で体がバキバキに
なって発見される。

3人目は、
主人公のまえで
感電死。

最後に主人公が
飛び降りる。

最後がホラー
っぽくないのだ…」


.
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