P5STORY

□Live or Die2
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ドアの向こうにいたのは
ターゲットの
高花麗奈が立っていた。

「あら?新人さん?
見たことない顔ね。」

きっとこいつは
出張ホストの
従業員全員と
寝たのだろう。

俺が新人(偽物)
ということにも
すぐに気付いた
のだから。

俺は笑顔で
「はい。昨日
入ったばかりの
新人です。
よろしくお願い
します。」

と言った。

満面の笑みでの
あいさつに
麗奈は気をよく
したのか
すぐに俺のことを
気に入ったようだ。

「あなた、モデル
か何か?」

「いえ、ただの
フリーターです。」

「あら、そう?
街でスカウト
とかされないの?」

「何度かありますけど
僕には興味がないので」

「へぇ綺麗な顔
してるのに意外と
淡白なのね。」

そんな会話をして
いるうちに流れは
行為に近づいてゆく。

俺はシャワーを
浴びると言ったが
麗奈がそれを
許さなかった。

「私は男本来の
匂いが好きなのよ。」と


麗奈は俺の背後に
回ると手慣れた
手つきでゆくりと
服を脱がし始めた。

「匂い…匂いが違うわ」

「匂い?」

「えぇ。今までの
男たちはセックス
を商売と考えて
割り切った匂いが
したわ。

でも、あなたは違う。

私に何を隠してるの?」

匂いですべてを
理解しそうな
目の前にいる
この女に俺は
完全に怖じ気ついた。

「早く答えないさい!」

(だ、ダメだ…
もう…ムリ。)

俺はLODの存在を
話してしまおうか
と思った。

しかし、どうせなら
と、あることを
思いついた。

「ち…父親知ってる?」

そう、俺の父親の事だ。

「父親?」

「そう。俺の父親。
時島裕也
(ときじまゆうや)
知ってる?」

「誰よそれ。
そんなことを隠して
いたの?」

「知らない…ですか」




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