P5STORY

□空を見上げれば4
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「おー社長!
これこれ。昨日
電話で話した
新しいボーカル。」

アメリカ某所に
あるセッターの
所属事務所の
中には白髪で
白いヒゲを生やした
おじさんがいた。

どうやらこの人が
社長らしい。

「…この子
高校生?」

「高1だよな?」

「はい…」

「Can you
speak English?」

「の…のぉあい
きゃんと…」

「うーん英語が
話せないと
厳しいんじゃない?」

「社長。俺は元
教師ですよ?
24時間付きっきりで
いれば、英語くらい
すぐ話せますって」

「そうだなぁ。
顔は合格、歌は
なんとでもなるとして
保護者は?」

「保護者は俺です。」

「牧原君が保護者?」

そのあと、優治は
アメリカに来た
経緯を全て社長に
話したのだ。

両親が事故で
引き取られた家は
保険金目当て。

それを知った
社長は唖然としていた。

「優治君!きみ
とても苦労したんだね
ボーカルやりなさい。
きっと人生が180度
変わるから。」

と社長は少しオカマ
口調になって
優治の手を握った。

「じゃ、次はメンバー
との顔合わせだ」

休む間もなく
優治は牧原に
連れまわされた。

アメリカに来て
最初に立ち寄った
あのスタジオに
車は向かった。

昼間のアメリカは
なんとなく日本と
一緒な感じがした。

空は青く
雲は白く
太陽は眩しく。

そんな当たり前
のことが
今はとても幸せ
に感じられた。




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