P5STORY

□COOL!
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「え?別れたい?」

「あぁ、他に好きな
やつができた。
というか、会社の
専務の娘を紹介
されてね。
断れないし…
綺麗で…」

「綺麗で…?」

「若いんだ」

「キレイデワカイ?」

「あぁ。」

「ふざけんじゃ
ないわよ!
ゲス男!」

そして、私は
その場から
立ち去ったのだ。


お分かりの通り
私は破局したのだ。

帰ってからは
泣いた、泣いた。

その日は金曜日。

明日は休みだから
飲むことにした。

電話を取り出す。

呼び出す相手は
後輩の小林静
(こばやししずか)
新任教師だが
同じ英語担当と
いうこともあり
私を慕ってくれて
いるようだ。










「遅くなりましたー」

「ちょっと静〜?
遅いわよー」

「うわッ美奈子先生
もう結構飲んでます
よね〜?もー
酒臭いです…」

「うるさいわねッ
先輩の私に
文句あんのぉ!?」

「あーはいはい。
すいませーん。
で、今日は何が
あったんですか?
長谷部のハゲですか?」

長谷部のハゲとは
美奈子と静の
職場の上司。

教頭である。

校長じゃないのに
校長以上に口
うるさい。
それでもって
自覚がない、
同僚の先生にも
生徒にもボロクソ
裏で言われている
教師、長谷部三郎
(はせべさぶろう)
のことである。

「長谷部じゃなーい
綺麗で、若いだって。
綺麗で!わ・か・い
だってぇ〜
あぁぁぁぁぁ!」

「綺麗で若いが
どうしたんですか?」

「フられたのよぉ」

「え!?フられたって
福山さん?」

「そうよ。」

美奈子はどういう
経緯でフられたか
全てを話した。

「そろそろ結婚
かなーなんて
思ってたのにぃ」

「それ、三谷先生
にバレたら
まーた馬鹿に
されちゃいません?」

「げ…三谷。。。」

三谷とは同じ学校
の同僚。26歳の
美奈子から見たら
後輩の数学教師

三谷優子
(みたにゆうこ)
である。

美奈子を尊敬
しつつ、それでも
古株扱い
してからかう
美奈子のライバル
である。

「三谷のやつぅー
昨日も私のこと
馬鹿にしやがってー」

「はいはい。
美奈子先生。
忘れてください。
今日は朝まで
付き合いますからねー」

「ちょっとー
オヤジ!生中もう1つ!
ホラ早くしなさいよー」

「美奈子ちゃん、
君、飲みすぎ!
後輩に迷惑かけて
どうすんのさー」

「うるさいわね
早くしなさいよ
お・や・じぃ!」

「はいはい。
ごめんねー静ちゃん
この人昔から
男にフられた時と
長谷部って人と
やりあった時は
ここでブッ潰れる
んだよー」

「アハハ…
もう慣れましたんで」


ガラガラ

その時、店の
ドアが開いた。

「いらっしゃい!」

「あ!高木先生。」

「あぁえっと…
小林先生だっけ?
隣は…浅田先生!?」

「あぁ…
酔いつぶれちゃった
みたいで…」

「よく、ここへは
来るの?」

「美奈子先生に
呼び出されたら、
基本的に行かざる
を得ないっすね…」

「そうなんだ。」

と高木春斗
(たかぎはると)
28歳の体育教師
は苦笑いした。




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