P5STORY

□壁の奥
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それから学校では
緊急会議が
開かれて、もちろん
私も参加した。

死因は失血死。

ただ、どこにも
刺された跡が
ないのだ。

警察も頭を
抱えていた。

まるで、内側
から皮膚が膨張して
破裂したような
死に方なので
自殺でも他殺でも
ないと言っていた。

では、一体誰が…?

私はすぐに思った。

あの夢が関係
しているのでは?と。

しかし、ただの
偶然ということも
ありえる。

誰かに話しても
馬鹿にされると
思い、誰にも
話せないで
その日は終わったのだ。

翌日、学校には
保護者からの要求も
あって防犯カメラが
いたるところに
設置されたのだ。

もともと生徒に
嫌われていた
先生ということも
あり、生徒には
それほど影響はなかった。

ただ、私はそれからも
あの、
「先生…助けて。。」
の夢は見続けている。

一体なんだ…。


それから1週間ほど
経っただろうか?

私はまた、いつもと
違う夢を見てしまった。

苦しんでいる生徒
今日は名札をつけている
名前は、樋沼(ひぬま)
と書いている。

その樋沼は
廊下を歩いて
階段を下って
5階から3階へと
進んだ。

たどり着いた先は
2年4組の教室の前。

教室の扉を開ける。

そこには授業をして
いる私と生徒たちが
いるではないか!

そして、1人の
生徒の前で
樋沼は止まった。

その生徒の顔は
見覚えがある。

私をとても慕って
くれている
水野悠里
(みずのゆうり)だ。

樋沼は水野の
前まで来て
「先生…助けて。。」










また、目が覚めた。

汗だくだ。

これは何かある。

絶対におかしい。

私は水野を守るために
今日の授業は
視聴覚室で
英語のDVDを
見ることに急遽
変更したのだ。

あの夢は
教室だった。

それなら、場所を
変えればいいんだと。

授業の始まりを
知らす鐘が鳴り響く。

視聴覚室を暗くして
DVDを流し始めた。

何事もなく50分
授業の半分が
過ぎた頃、
私が恐れていた
事態が起きてしまった。

水野が急に
苦しみ出したのだ!

「うぅぅぅッ!
ァアァアア!
苦しッ。。。あッ!」

生徒たちは一斉に
水野を振り返った。


私は急いで水野に
駆け寄る。

「どうしたの!?
水野さん!大丈夫?
横になって。
ゆっくり呼吸して!」

「アァァァァ先生…」

そして水野は
ブハッという音
とおもに血を吐いて
その場で死んだ。


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