P5STORY

□壁の奥
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立て続けに
2人もの人間が
謎の死を遂げた
ことで、世間は
謎の感染症だと
騒ぎ立てて
永津商業は
保健所の調査が
終わるまで閉鎖
されてしまった。

しかし、愛子は
感染症なんで
何かの間違いだと
思っていた。

学校が休校の
今でもあの夢を
見るのだ。

樋沼はいつも
見覚えのない
トイレで
苦しんでいる。

しかし、誰かが
死ぬ前には
必ず5階の廊下
を歩いている。

そう、愛子は
思った。

5階には何か
私の知らない
ものが潜んで
いるのではないかと。

気づいてからは
学校が再開されたら
と思っていたが
やはり落ち着かない
ので立ち入り禁止の
校舎内へと
進入することに
したのだ。


時刻は夕方の5時30分
辺りが暗くなるのも
構わずに、学校へと
走った。

校門には立ち入り禁止
の黒と黄色の
テープがあったが
気にせずに
校舎内へと
入っていった。

向かう先は
5階の廊下だ。

階段を一歩
一歩と進んでいく。

最上階の
5階に辿り着いたとき
ふ、と人の
気配を感じた。

立ち入り禁止なのに…

愛子は思った。

しかし、何かの
鍵を握る人物かも
しれないということで
しばらく影に
身を潜めて
様子を伺う
ことにした。

どうやら何かを
調査しているようだ

(保健所の人間…?)

いや、それにしては
格好がスーツだなんて
おかしすぎる。

その男性は
壁を叩いて
何か音を確かめている

愛子は勇気を出し
声をかけたのだ。

「あの。
そこで何をしている
んですか?」

「君は?」

男は冷静に
切り替えしてきた。

そして、お互いを
名乗りあった。

男の名前は
樋沼隆
(ひぬまたかし)

愛子はすぐに
直感した。

あの夢に出てくる
女の子の
兄弟なのかと。

そして、不審に
思われるかも
しれないが
愛子は隆に
夢の話をした。

すると意外な
答えが返ってきた。



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