P5 Story

□メリーさん
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さすがに今日は
あの部屋に
帰る気にもなれず、
仕方なく実家に
帰ることにした。


駅に向かい、
自宅までの
片道切符を買い、
ホームへの
階段をのぼった。



そして俊が
ホームについた瞬間



『メーリーさん
の羊………』


またあの歌が流れた。


俊は恐ろしくなり、
ふと周りを見ると、
なんと誰も
いなかった。

夜の駅の
ホームに1人…
そして聞こえるのは
気味の悪い音楽、
俊はパニックに陥った。







狂ったかのように
あたりを見回し、
歌がどこから
聞こえるのか、
本当に誰も
いないのか、
誰かいてくれ
と願った。


しかし誰も
いなくて、
どうやら階段のした
からあのメリーさん
の羊が聞こえてくる
ことに気付いた。


何かが見えるわけ
でもないが確実に
歌の声が近付いて
来た気がした。







「来るな近寄るな!!」

誰もいないのに
俊は叫んだ。



でも
『メーリーさん
の羊………』
『羊、羊、
メーリーさんの
羊可愛いな…………』


歌は止まることを
しらずどんどんと
近付いてくる。






その時、
「まもなく
電車がまります、
白線の内側へ
おさがりください。」
アナウンスが流れた。


電車がくれば
助かる!!
と思い、
電車を早く来い、
早く来いと願った。


少し向こうに
電車の光が
見えたとき、
ちょうど自分の
真後ろから

『メーリーさん
の羊………』


あの歌が聞こえた。







ビクッとして
後ろを振り向くと、
真っ黒なワンピース
を着た少女がいて、
あの歌を歌っていた。


そして








駅の一番端に
電車が来た時、
俊は少女に
突飛ばされた。



ホームから線路に
落ちて、やって
きた電車に俊は
ひき殺されて死んだ。









『メーリーさん
の羊………』
なんて歌は
本当は聞こえて
いないのに。

黒のワンピースを
着た少女なんて
いないのに……

周りにはたくさん
の人がいたのに....


.
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