勇者だって人間だ
□第四章
1ページ/47ページ
「マジで来たか……勇者一行」
「えっと、どちら様ですかね?」
目の前に立ち塞がるのは、裾の長いマントをなびかせ、羽の付いた帽子を目深に被り、顔には目元を隠すシンプルな仮面を付けた人物。
背中には物々しい戦斧を担いでいる。
当然ながら俺にこんな怪しい知り合いはいない。
「この国から立ち去れ、っつーか勇者辞めろ。死ぬぞ」
「へえ……で?」
「…………は?」
俺の返しに、謎の人物の唯一見える口がぽっかりと開いた。
〜chapter4〜
――夢見