勇者だって人間だ

□第一章
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勇者はお決まりの文句が投げかけられるのを今か今かと待ちわびていた。

深い水底を思わせる青い瞳がいたずらっ子のように輝いていることを、玉座にふんぞり返る王は気がついていない。

くどくどと垂れ流される勇者の心得を聞き流し、はやる気持ちをおさえる。

そして、その時は来た。


「ニケ・アシュレイよ!魔王を倒し、この世界を救うのだ!!」

「嫌です」


王の仰天した顔に束の間の満足を覚えながらも、勇者は気を引き締める。

まだ、始まりに過ぎないのだから。





〜Chapter1〜
初撃

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