Heroic Legend -終章の白-
□第99話 北東の四天王・眠り姫カトレア
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【ポケモン図鑑】
「持った」
【ジャーマネ君】
「持った」
【ハンカチとティッシュ】
「持った」
【ポケモン】
「いるじゃん、ここに」
【モンスターボール】
「あるじゃん、ベルトに」
【心に愛情】
「いつでも持ってるさ☆(キラーン」
【【うっざ】】
「酷いwww」
朝。ぐっすり眠った後なので、元気良くふざけ合いながらの出発。
忘れ物をチェックしてからポケモン達をボールに戻し、ベルトにしまう。
「よし、出っぱーつ」
勢い良くドアを開け、新しく仲間になったポケモンの名前を呼んだ。
「レパード、おいで」
【…】
レパードことチョロネコは、昨日ギーマさんから譲り受けた(詐欺まがいに押し付けられた)ポケモン。
四天王のポケモンだったせいか、生まれて間もないチョロネコでもプライドが高く、全然言う事を聞いてくれない。
いくらバッジ8つを持っているトレーナーでも、出会って間もない上にボク達を格下だと思っているみたいで、滅多に口をきいてくれない。
でも、そんな彼にも逆らえない秘密兵器があったりするのだ。
「…ほら、レパード。キミの大好きなミネズミだよー」
【!】
カバンからミネズミ型の玩具を取り出し、レパードの目に入るように投げる。
「プゥー」と可愛く空気が抜ける音に素早く顔を向けたレパードが、猛ダッシュでそれを追い掛ける。
「今だ!」
玩具に付いた紐を引っ張りながら、ボクも宿泊施設の廊下を猛ダッシュする。
当然、玩具も追い掛けてくるレパードも一緒について行かざるをえない。
「ははは、ほーら、捕まえてごらんなさーい」
【ヤローてめーぶっ殺す!】
ちょ…まともに喋ったと思ったら、口悪過ぎなんだけど…。
【ミネズミッ、てめーをッ、ぶっ殺すッ!】
「どんだけミネズミに殺意抱いてんの!?」
レパードのミネズミに対する執着に恐ろしさを感じ、更にスピードアップを図るが…。
「廊下は走ってはいけません!」
「ゲッ、ラスボス(施設の管理人)だ…っ」
『前門の虎、後門の狼』とはよく言ったものだ。
比較的可愛い後門の狼を抱え、ボクはラスボスに追い付かれる前に窓から飛び出した。
「ガルダ、逃げよう! 逃げなきゃ殺される!」
【お前…本当に騒がしいな…】
窓から飛び出した先は3F辺り。
すぐさまガルダを出して、逃走は見事に成功したのだった。