Heroic Legend -終章の白-

□第91話 黒き皇帝人鳥達は金曜の闇夜に走る
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あれから3日が過ぎた。


ヒウンへと戻ってきたボク達は、ダークストーンの手掛かりを探してあれこれと資料を引っ張り出して読んでいた。

しかし見付かるものといえば、どれも微妙で曖昧で同じような文章ばかり。


アデクさんもボクも本を好む性格じゃないから、30分資料を漁れたら良いくらいだ。

それで、1日の大半はアデクさんの心当たりである英雄『縁の地』って場所に行ってみたり、アーテルやゼクロムが話してくれた歴史をアデクさんに話したりしている。


結果は、何も無い。全く。嫌ってくらいに。




そんな中、ボクのライブキャスターから着信音が鳴り響いたのは、丁度アデクさんともう一度古代の城へ赴いた時だった。

『フォリアッ! フォリアッ! フォリアッ! 聞こえてるッ!?』

通話を開始した途端、画面一杯にアララギ博士(娘の方)の顔が現れ、それに負けないような大声がスピーカーから飛び出してきた。

「アララギ博士…そんなに興奮してどうしたんですか?」

そんな博士の勢いに気圧されながらも、通話は続く。

『フォリアッ! 大変よ! マジ大変1000%よッ! どれくらい大変かっていうと、タブンネが廃人達に無双するくらいに大変なのよッ!』

「意味が半分以上分からないんで、落ち着いてくだ……」

『いい? 今すぐシッポウ博物館に来るのよ!? 今よ? 今だからね? 今すぐ来なさいッ!』

「命令形な上にフルシカト!? ちょ…アラ……!」



ブツ。


通話切られた。


「オーノーッ!」

【何故に横文字!?】

「こんな気持ちだったから」

ブリッツのツッコミに答えていると、アデクさんが小指を耳に突っ込んで唸り声を上げる。

「…アララギの娘め、ここまで声が聞こえておったぞ。
さて、シッポウ博物館に来るように言われたが、あの慌て振りから見ると、相当重要な事らしいな…」

「ですよね。あんなに興奮した博士は見た事が無いです」

「…よし、では早速シッポウシティへと向かうとするか」

「そうですね」






















シッポウシティまでは自転車で行く事にした。

以前、育て屋爺さん(祖父)に貰った超小型折り畳み式自転車があるのを思い出したので、それを使う事にしたのだ。

そうなると、アデクさんはどうやって移動するのかが心配になる。


しかし、そんなボクの心配は無用だった。
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