Heroic Legend -終章の白-
□第79話 ライトストーンの行方
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あれから更に歩き続けているが、未だ進展すら見られない。
ポケモン達にも手伝ってもらっているが、このだだっ広い山の中をこの少数のメンバーで捜すのは、流石に限界があった。
やがてボクを含め、皆の足取りが重くなってきたので、近くの岩場で休憩を取ろうと提案したところ、満場一致でそれが決定した。
「ハァ…疲れた」
【もう…ヘトヘトです…】
【何やアックス…だらしないで……】
【…お前がそれを言うか】
皆はグッタリとした様子で休んでいる。
ボクも勿論、疲れていた。
カバンからハイ○ュウを取り出し、皆に配る。
「セッカに着いたら一泊するから、これで少し腹を誤魔化して」
【ありがとう。やっぱ疲れた時には甘い物だわ】
ハ○チュウを食べた事で気が紛れたのか、全員の顔色が些か良くなる。
ボクも一粒口に放り込むと、一冊のノートを取り出した。
【ん、何やソレ?】
「ネジ山の地図。同じ場所で迷うのは嫌だから、コッソリ描いてたんだ」
【プッ…下っ手くそやな】
「余計なお世話だ」
ジャルルの言葉にムッとしたが、気にせずシャーペンを手に持つ。
地図に描き記した場所は、殆どが行った場所。
出口はまだ見付からないが、分かった事が一つあった。
それは、この山の通路が一つの空間に繋がっている事だ。
頭上にはどんよりとした雲が見え、汚れの無い雪が積もり、綺麗な景色だった。
カノコやホドモエには殆ど雪が降らないから、こういった場所は新鮮で面白い。
そして、その空間にはブルドーザーやクレーンといった工業用の機械があったが、冬は稼働していないらしく、雪に埋もれていた。
そんなネジ山に、まだ訪れていない場所があるかどうか、ペンをクルクルと回しながらノートと睨めっこをしていた。
「…あった」
【何がだ?】
ガルダが首を傾げながらノートを覗き込む。
フワフワした羽毛が顔にくっ付いてくすぐったい。
「いや、まだ行ってない場所。
もう少し休んだら、行こうか」
【そうだな】
ノートとペンをカバンにしまうと、ボクは岩にもたれ掛かって腕を軽く上げる。
ライブキャスターのアラームをセットし、くっ付きそうになっていた瞼から力を抜く。
するとすぐに視界は闇に染まり、僅かな時間で眠りの世界へと入って行った。
『もう止めて! HA☆GAのライフはもう0よ!!』
『HA☆NA☆SE!!』
「ん…もう30分経ったんだ…」
【どんなアラーム掛けとるんや…】
一瞬のように感じられる睡眠を終え、セットされていたアラームで起き上がる。
横でジャルルが呆れたような表情をしていたが、あえて気にしない事にする。