Heroic Legend -終章の白-

□第71話 英雄の資格
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ヤーコンさんとのジム戦を終えたボク達は、疲れを癒やす為にポケモンセンターへと訪れていた。

食事を終え、自動販売機で買ったジュースを飲みながら一息つく。


そんな中、ライブキャスターが鳴り出したのは、そろそろ出発しようという時だった。



「…はい、もしもし?」

通話画面に映し出されたのは、カノコで研究している筈のアララギ博士。

何か良い事でもあったのか、少し興奮しているようにも見える。


『ハーイ、フォリア! 久し振りね。今どの辺まで来ている?』

「ホドモエです。今からフキヨセに行こうかと、電気石の洞穴に向かう所です」

『あら、近いわね! 私は今、電気石の洞穴にいるのよ』

「え、でも…ホドモエからの入り口は、障害物で入れないって…」

『その障害物ができる前に入っていたのよ。
ここにはまだ解明されていない謎が沢山あるから、とっても面白いわよ』

そう言う博士の後ろには、極悪な笑顔で野生ポケモンを薙ぎ倒しているチラーミィがいたが、ボクはあえて気にしない事にした。


「今から出発するんで、その面白さは自分で見てみます」

『もう、チェレンみたいにクールになっちゃって!
でも、まぁ…いらっしゃい。丁度ベルも一緒にいるから、二人で待ってるわね』

「ベルが…。分かりました」



博士との通話を終えると、ボクはカバンを肩に掛けてセンターを出発する。





ホドモエを発ち、6番道路を歩いていた時、ランプルがボールから飛び出してきた。

【はぁ…肩凝ったわ…】

「肩無いだろ」

すかさずツッコミを入れる。

【冗談よ。ちょっと外の空気を吸いたくてね…】

ランプルは気持ち良さそうに念力で浮くと、楽しそうに周囲を飛び回る。

「ねぇ、ボールの中って…やっぱり疲れたりする?」

ふと気になった疑問をランプルに投げ掛けてみる。
すると、彼女は考えに耽るように上を向いて答えた。


【案外、居心地良かったりするわね。
でも、外とは違った"匂い"がする】

「匂い?」

【えぇ、"造られたような外の匂い"…って言えばいいのかしら?
外とはちょっと違う匂いよ。あと…小さいけど、機械の音がする】

「…人が作った物だから、やっぱりポケモンの視点に完全には合わせきれていないのかもしれないね」

【でも、不安にならないから良いわよ。
ボールを作ってくれた人は、結構アタシ達の事を考えてくれてるんだなーって思うわ】
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