Heroic Legend -終章の白-

□第70話 VS ヤーコン
2ページ/7ページ



「シェルブレードッ!」

【はぁッ!】

ヤイバの放つ剣撃に、ワニのような姿をしたポケモンは呆気無く吹き飛ばされる。



「ワルビル、戦闘不能!
ダイケンキの勝ち!」

審判がそう告げる。

テンガロンハットを被った中年の男性が、気絶したワルビルをボールに戻すと、フン…と鼻を鳴らした。


「久し振りにワシの前に現れたと思ったら、こんなに強くなりやがって…。
前のヒョロヒョロな姿より、今の方がお前らしさが出ているじゃないか」

中年男性は面白そうに笑うと、次のボールに手を掛ける。

「だが、そう簡単にワシに勝てると考えているのか? フォリア!」

「とんでもない、戦うからには…いつも本気の全力疾走ですよ、ヤーコンさん!」

ヤイバを戻し、ジャルルを繰り出す。

「そうだ! やるからには常に全力で本気で掛かれッ!
下手に手を抜くような奴にはなるなッ!」

ヤーコンさんはそう言ってボールを投げる。
中から飛び出してきたポケモンは、何処かで見覚えのあるポケモンだった。

それにいち早く気付いたジャルルが、【あぁッ!】と声を上げる。


【アンタ、あのウザ笑いの進化系やろ!
進化したら、ますますウザさMAXやな!】

【おまwww 何で顔合わせて数秒でウザ笑いとか言われなきゃならないんだよwww】

(ウザ笑いって…)

いつだったか、Nとバトルをした時に印象に残る笑い顔のポケモンに出会った事がある。

(確か…オタマロって言ってたな。
その進化系は、ガマガルだったっけ…)

オタマロの面影が若干残るガマガルは、長い舌を出してジャルルを睨んでいる。


「さぁ…仕事の時間だ、ガマガル!
まずは地均(じなら)しッ!」

ガマガルが飛び跳ねて地面を刺激すると、その揺れを受けたジャルルがフラつく。

【おわわわわ……!】

「バブル光線!」

無駄の無い動きで、口から大きめの泡を勢い良く放射するガマガル。

その攻撃を受け、ジャルルは少しよろけてしまった。

【く…】

「地均しでジャルルのスピードを下げ、確実に攻撃を当てる作戦か…。
流石はヤーコンさん…!」

【感心しとる場合やないっちゅーねん!
反撃や、反撃!】

「あぁ。グラスミキサーッ!」

尻尾を振って、鋭い木の葉を巻き込んだ竜巻を打ち出すジャルル。

「フン、甘い! 濁流で押し流せッ!」

【おらぁッ!】

ガマガルは地面を再び足で鳴らし始める。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ