Heroic Legend -間章の灰-

□第68話 墓参り
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【また、継承者に英雄になる気持ちが無い場合でも、能力は開花する。
それは…英雄伝説の再来を防ぐ為だというらしい】

「あ、それはアーテルから聞いた。
詳しくは教えてくれなかったけど、凄い剣幕で言われたから覚えてる」

【とにもかくにも…お前は僅か15で、この過酷な運命を受け入れる事になった。
…もう、逃げる事も死ぬ事も許されない。
お前の心臓が、ゼクロム達の命になってしまったら尚更だ】

「うん…」


15って言うけど、10年前に主人格から生まれたから、ボクの実年齢は"10歳"なんだけどね…。

それでこんなにも物分かりが良い10歳児、ハッキリ言って気持ち悪いな…。
…思えば、反抗期すら来なかったし。


「…コバルオン」

【何だ?】

「次の試練って何?」

【うむ…それはだな…。
ライラックから教わったのたが、全てのジムバッジを集めて行ける場所がポケモンリーグ…だったか?】

「うん」

【そうか…。その途中で越えなければならない道が一つある。
…今は『チャンピオンロード』と呼ばれる場所だな】

北の方角を見つめ、コバルオンは話を続ける。

【その道の何処かに、『試練の室』と呼ばれる部屋がある。
そこに"テラキオン"という私の仲間がいるから、その者から最後の試練を受けろ。
その試練を乗り越えた時、お前はゼクロムと英雄を守る者として相応しい資格が得られる】

「そうか…。ありがとう」

ボクはカバンを肩に掛け、よっこらしょ…と立ち上がる。

「ボクは英雄には興味ナッシングだから、普通に旅を続けるよ。
…でも、二つ程…問題があるんだ」

【何がだ?】

コバルオンが怪訝そうに尋ねる。


そこでボクは一呼吸置き、問題点を上げた。




「二人の人間が英雄になろうとしているんだよ」

【何と…。して、どちら側の英雄だ?】

「一人は、白き英雄。ボクと同じポケモンとの会話能力を持っている。
まぁ、そこまではいいんだけど…」

溜め息をつきながら頬を指で掻く。



「その人、ヤバげな組織のトップでね…。
ボクが英雄になって、伝説の再来を起こすつもりなんだ。
んで、もう一人の人間が、ボクの代わりに英雄になりたいらしくてさ…」

【ならんッ!!】

突然大声を出したコバルオンに、ビクリとしてしまった。

彼は非常にいきり立っており、一気に話し出す。
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