Heroic Legend -間章の灰-

□第62話 仲間と誓いし復讐劇
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シルヴィンとの戦いに勝利を収め、ボク達はネクの元へ向かうと、彼らのバトルもいよいよ大詰めを迎えていた。

ノワールのポケモンであるゴチルゼル。
忍者のような格好をしたポケモン、アギルダーが地面に倒れている。
残る一体はバルジーナのみ。

対するネクは二体残っており、傍には力尽きたフワライドが横たわっていた。


余程激しい戦いなのだろう。
互いの服が所々裂け、切り傷や擦り傷が何ヶ所か見られた。


「…フフ、息が上がっているよ。
もうギブアップかい?」

血が出ていながらも余裕そうなノワールと殆ど無傷のバルジーナ。

それに比べ、ネクは呼吸が荒い。
そして、彼の二体のポケモン…ジヘッドとチルタリスも、全身が傷だらけだった。

「だ…れが、諦めるかよ…っ!」

ノワールを見るネクの表情には、いつもの斜め目線な感じが全く見られない。
その瞳に表れているのは、とても強い感情。

こんな表情、今まで見た中では全く知らない…初めて見るものだった。


「ふーん、やるねぇ。
そういう噛み付くような表情、結構嫌いじゃないよ」

「黙れ! この家族殺しが!
…俺が、この時を…どれ程待ち望み、お前を恨み…憎んだと思ってる!?」

「知らないよ。恨みなんて昔から、しょっちゅう買ってたし。
アンタみたいな青臭いガキ、覚えている訳ないだろう?」

「…っ!」

ギリ…と歯を食い縛るネク。
その握り拳に彼の爪が食い込み、ポタポタと血が流れ出る。







「……………4年前」

「あ?」

「4年前、俺がまだコーディネーターをやっていた頃だ。
…大切な相棒と一緒に最高の技を編み出し、バトルも頑張り、ずっと憧れていた…グランドフェスティバルのステージに立った時、お前達がやってきた」

淡々と、独り言のように語り出すネク。

「お前達は、会場にいた参加ポケモンを次々と捕らえ始めた。
抵抗したコーディネーターには容赦無く攻撃し、容赦無く殺していった。
…当時、俺とその相棒……チルタリスも一緒に戦っていたんだ!」

チルタリスはノワールに向かって『火炎放射』を撃ち出すが、バルジーナの『悪の波動』によって相殺される。

その中、ノワールはやっと思い出したように、ポン…と手を叩いた。




「あぁ、闇コレクター協会に依頼された仕事か…。
グランドフェスティバルに集まる、優秀なコーディネーターのポケモンを根刮(ねこそ)ぎかっ浚(さら)うって奴…」
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