Heroic Legend -間章の灰-

□第56話 闇に紛れて…
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「おっじゃまっしまーす!」

「失礼します」

「こんにちは」

勢い良く入ってきた人物の後から、三人の人がゾロゾロと入ってくる。

一人目は赤い髪と瞳を持ち、いつもの黒ベストとスラックスを着用した青年。
後から来た二人も同じ服装だが、青の髪と瞳、緑の髪と瞳を持った青年だ。

彼らは三人でジムリーダーをしており、全く似ていない三つ子の兄弟。

「あ、似ていない三つ子ジムリだ」

「ちょw失礼だろwww」

赤い髪の青年が突っ込む。

「冗談だよ、ポッド。コーンもデントも、久し振り」

「「「誰だ(ですか)?」」」

「…やっぱり」

三人して息ピッタリな質問に苦笑しつつも、ボクは名乗った。


「あぁ、フォリアだったのか! スゲー久し振りじゃん!」

「暫く見ない内に、随分と凛々しくなりましたね」

「本当だ…。もう新人さんって感じじゃなくなってます」

初めて会った時は何となく「君付け」で呼んでいたが、やはりどうも慣れないので呼び捨てで呼ぶ事にした。

例え年上でも、ヒョウガ達と同じ位なので、敬語も無しにしている。

「フォリア、跳ね橋で会った時以来ね」

「お久し振りです、カミツレさん」

一連の流れを見ていたカミツレさんも、ボクが誰だか分かってくれた。
互いに再会を喜んでいると、ネクが咳払いをして話を始める。

「じゃ、早速だが…本題に入るぞ―――」




今までの黒星についての情報や事件を一通り話すと、ジムリーダー達の顔付きが険しくなった。

「…サンヨウシティは夢の跡地以来、何も事件が起こっていないから噂程度にしか聞いていませんが…。
かなりの頻度で被害が出ているんですね…」

コーンが顎に手を当てながら呟く。

「今の所、ヒウンやライモンといった都会に被害が集中しているから、ホドモエやフキヨセとかはまだ被害報告は来てないって、さっき姉ちゃんから聞いたのな」

青のライブキャスターを付けた腕を振り、トレーナーの腕捲りを直しながらクロードは言った。

「そうか。
…というかクロード、お姉さんいるんだ?」

初耳だったのでそう尋ねたら、クロードの代わりにカミツレさんが答える。

「えぇ、彼はフキヨセシティのジムリーダー・フウロの弟。
フウロとは友人だから、彼とも何かと付き合いがあるの」

「クロード、キミって何気に凄いね…」

まさかの新事実に驚きながらも、クロードの手持ちを考えれば納得がいった。
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