Heroic Legend -間章の灰-

□第53話 朝
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「一緒に話したがっているみたいだし、お呼ばれしてきなよ」

【うん…行ってくる】

仲が良い者同士、楽しく会話しながら食べた方がいいと思い、ゾロアの元に行くように促した。
セレビィは少し嬉しそうにしながら皿から木の実を二つ持って行き、ゾロアと一緒になって食べる。


「…フォリア」

「どうした、N? 木の実に当たった?」

食事中になんて話をしているんだ、自分は。
そんなツッコミを心中でやりながら、Nの返事を待つ。

「どうしてキミはこの場所に来れたの?」

今更その質問か…。

今度は、内心Nにツッコミを入れる。

「静かに考え事できる場所を探していたんだよ。
そうしたら道に迷って、以下省略だね」

明らかに大切な部分を省いたが大して重要ではないし、説明が面倒臭い。

「そう言うNこそ、どうやってここに来たんだ?」

「ここは、ゾロアークの一族が静かに暮らす楽園。
よくトモダチのゾロアークと一緒に遊びに来てる」

「成る程…。
幻影を見せるゾロアークにとって、人が滅多に来ないこの森は仲間を隠す為の、絶好の隠れ蓑(みの)って訳か…」

木の実を食べ終わり、「けどさ…」と続ける。

「何でセレビィとゾロアが一緒にいたんだ?ゾロアークとエンテイ達もその事で戦っていたようだし…」

Nは一度頷き、サラリとその答えを言った。



「黒星団だよ」

「黒星の連中が絡んでたのか…っ?!」

「奴らはヒウンで遊んでいたゾロアと丁度運悪く居合わせたセレビィを捕らえ、仮拠点に潜伏していた。
ボクは七賢人の一人からその情報を聞き、奴らを排除しにP2ラボへと行ってきたんだ」

「まさか…一人で?」

「ゾロアークも一緒だったよ」

当たり前のように言うNに、ボクは驚かされっぱなしだ。

ジャルル達の治療時間で、およそ1時間半。
その後の移動込みで、セレビィ達があの場所に現れたのは、その30分後。

だとしたら、Nとゾロアークはこの短時間であんな過疎地のP2ラボまで移動し、かなりの多い敵を全て倒してきた事になる。

「N、もしかして…テレポート使えたりするの?」

【まだ寝てんのかよ、クソガキ】

ボクの質問に、ゾロアークは小馬鹿にしたようにツッコミを入れる。

「冗談だよ……(半分本気だったけど)」

最後のセリフはボソリと呟いたので、誰にも聞こえていなかった。
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