Heroic Legend -間章の灰-
□第51話 類は友を呼ぶ…?
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「…ボク達がいても、どうしようもないよ」
素っ気なく返事を返しながら、ボクはトボトボと歩き続ける。
あの病室で考え事はしたくない。
もっと…静かな場所へ…。
【…リア……フォリアったら!】
「…え?」
後ろを振り返ると、ブリッツが心配そうな表情をしている。
その横では、『リーフブレード』の構えでボクを見るジャルルがいた。
【あ…やっと振り返った…】
【何回呼び掛けても返事せぇへんから、仕舞いにはコレ(リーフブレード)を打ち込もかと…】
「ボクヲ殺ス気デスカ? ジャルルサン」
【何カタコト使うとるんや…】
「別に…って、ここ何処?」
初めて辺りを見回すと、全く知らない場所にいた。
鬱蒼とした木々で埋め尽くされ、現在位置を調べようとセンターから持ってきたカバンから、タウンマップを取り出す。
思えば、まともに使う事が無い為に、出番が少なかったな…。
「え…っと、現在位置、現在位置…っと…」
ピ…。
GPS機能で自分の位置を検索するが、そこに表示されたのは……
『特定不能。もう一度正しく検索下さい』
の文字。
「は? 特定不能とか勘弁してよ…」
心中で舌打ちをしながら再検索を始めようとする。
【フォリア、何か広い場所に出たよ?】
ブリッツがボクの袖を引っ張りながら尋ねてきたので、一旦タウンマップをカバンの中へとしまった。
「…空き地…だね」
【…何や、エラい静かな場所やな…】
違和感漂うこの空間に身震いするジャルル。
【ねぇ、あそこに車があるよ!】
ブリッツが指差した方を見ると、確かに前方に赤いキャンピングカーらしき車が停車している。
しかも、まだ使われているような痕跡もある。
どうやら、ここに人がいるという事は、そうそう迷うような道じゃないな…。
「ちょっと行ってみようか?」
【せやな。出口教えて貰えるかもしれへんな】
ボク達は早速、キャンピングカーに向かって歩き出した。
そして、車に近付いていくと、何やら人影が見えてくる。
「女の…人?」
その女性は、赤と黒の長髪を水色の玉付き髪飾りで高い位置に留め、浅黒い肌と赤い模様の入った顔をしている。
大きな吊り目はコバルトブルーで、近付いてくるボク達をジッと見つめている。
あの人の他にも誰かいるかと思いきや、誰も現れる気配すらない。