Heroic Legend -間章の灰-

□第50話 トリプルバトル
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「ピピル、キバゴに10万ボルト!」

「グラスミキサーで撃ち飛ばすぞ、ジャルル!」

【まっかしとき!】

ピカチュウの攻撃から守るように、ジャルルが横から攻撃して技を相殺させる。

「アックス、ピカチュウにダブルチョップ!」

【はいっ!】

攻撃の隙を突き、アックスがピカチュウに攻撃を繰り出す。
しかし、それをルカリオがガードして、技ごとアックスを弾き飛ばされてしまった。

「ブリッツ!」

【分かってる!】

『ニトロチャージ』で加速したブリッツが、飛ばされてきたアックスを受け止め、地面へと下ろす。

【あ…ありがとうございます…】

【大丈夫? 泣いてるの?】

【な…泣いてません!】

目に溜まった涙を拭い取り、再び相手へと立ち向かうアックス。
気弱な性格でも、その根性は大したものだ。

「ツバサ、リオ。エンブオーに集中攻撃よ!」

【了解です、マスター】

【了解だ、主人…】

ライカはブリッツに狙いを定めたらしく、体の大きな二体に指示を出す。

ウォーグルは巨大な翼を激しく動かして『吹き飛ばし』を発動させ、ブリッツ達の動きを止める。
ジャルル達に技を出させずに守りを封じるつもりらしい。
その隙に、ルカリオが目にも留まらぬ速さで移動し、ブリッツの急所を狙って『神速』を撃ち込む。

【ぐっ…!】

何とか両腕でガードをしているが、防戦一方ではいずれは倒されてしまう…。

「ブリッツ、ニトロチャージで脱出を!」

【うん…っ!】

ブリッツは頷くと、その場で地団駄を踏むように足を上下に運動させ、土煙を巻き上げる。
そのまま次の『神速』が来る前に、ブリッツは体中に炎を纏いながら脱出をした。

「逃がさない…リオ、波動弾!」

【僕から逃げられるとでも思ったのか?】

移動する炎へ目掛け、何発もの波動の弾を撃ち込んでくるルカリオ。
しかし、ブリッツも当てられっぱなしではいられない。

「ブリッツ、全て蹴り返すぞ……ローキックっ!」

『ニトロチャージ』を止め、振り返りざまに襲い掛かる波動弾を見事な蹴りで打ち返す。
因みに、この技はボクの蹴りを見て真似したら出来たらしい。
嬉しいような、そうでないような複雑な気持ちだ。

多少こちらもダメージを受けたものの、ルカリオの弱点となる格闘技を打ち返した事で、今度は彼にピンチが訪れる。

「…いけない。ツバサ、リオをお願い!
ピピルはエンブオーに10万ボルトよ!」
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