Heroic Legend -間章の灰-

□第49話 その使命を胸に
2ページ/16ページ

「じゃあ、行って来ます」

「おう、のんびりしてくると良いのな〜」

ボールを二つセットし、アックスを肩に乗せて人通りの多い街へと繰り出すボク。


ライモンシティへ来てから、早くも一週間が経つ。
ボク達はポケモンセンターで寝泊まりしながら、ミュージカルの準備を着々と進めていた。

ミュージカルのタイトルは、

《空と海の楽園》

というものだ。
因みに、楽園は"シャングリ・ラ"と読む。

文字通り、必要なタレントポケモンは飛行タイプと水タイプなので、ネクは演出も含めてのパーティー総出動。
ヒョウガはラプラスとオーダイルを出演させるし、飛行タイプメインのクロードは勿論…総出演だ。

ボクもヤイバとガルダが出る事になった。
ランプルはエスパータイプなので、演出側に回る。
覚えたばかりの『サイコキネシス』を使える、と言って嬉しそうにしていた。

ジャルルとブリッツ、アックスはボクと一緒に運搬作業を手伝い、後は一緒に街をブラブラしに行くだけの日々を過ごしている。
最近、バトル検定を受けたりバトルサブウェイなんていう地下鉄を見に行ったりしている。

バトルサブウェイはトレーナー達が地下鉄に乗ってバトルしていく…というシステム。
勝ち抜き続ければバトルポイント(通称BP)が貰え、特定の勝利数に達すると、サブウェイマスターと呼ばれる凄腕トレーナーへの挑戦権を与えられる。

因みに、ボクはまだサブウェイに挑戦すらしていないので、サブウェイマスター…もう面倒だからサブマスに略そう。
そのサブマスの正体も全く知らない。

けれど、サブウェイにはバトルせずに、カナワタウンと呼ばれる町に行ける地下鉄がある。
一度だけ観光がてらに乗ったが、列車のターンテーブルあるだけで、はっきり言って何も無い過疎地だった。


そして、明日はいよいよ公演会。
全てのセットが完了し、残りの時間は全てリハーサルに向けられる。

出演ポケモン達を全体的な指揮を執るネクとトーンに預け、暇になったボク達は再びブラブラと街に繰り出していた。

ライモンは相変わらず賑やかだ。
公演会もあるためか、出店が並んでいつもよりも人が集まり、活気づいている。
トーン達の開催する公演会が、いかに有名なのかがよく分かった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ