Heroic Legend -間章の灰-

□第48話 Schein Leere
2ページ/15ページ

「良いですか? くれぐれも肩に負担を掛けるような無理な運動は、控えて下さい。
最悪の場合、手術になってしまいますからね」

「分かりました」



ビリジオンとの戦いの後…ボクは無事にネク達と合流して、外れた関節を戻す為にヒウンシティの病院を訪れていた。

病院はやはり都市の中にあるからか、カラクサやライモンに比べるとかなり大きい。
案内板が無ければ、簡単に迷ってしまう程。

治療室で関節を戻す時は、流石のボクでも泣いた。
しかし、戻ってしまえばケロッとしてしまう。
後で調子が良過ぎると思い返してしまった。


医師に安静と釘を刺されて病院を出た後、ネクがボクに言う。

「……フォリア」

「何?」

「寒くね?」

「何が?」

「その格好に決まってるだろ」

殆ど即答でツッコまれる。
確かに言われてみれば、ボクの格好は冬間近の服装とは思えない。

上着は前回で亡き者になってしまい、現在は黒と白のタンクトップ二枚とスパッツを履いているからといって、ホットパンツという服装だ。
しかも、所々切れてボロボロ。

道理で他の通行人達にジロジロと見られる訳だ。


「…服、変えなきゃ駄目っすか?」

「何だよ、その最近の若者口調は…。
変えるに決まってるだろうが」

「やっぱり?」

「俺も、温かい服を買った方が良いと思う」

ヒョウガがネクの意見に賛成する。
クロードも片手を挙げて賛成の意を唱えた。

「オレも賛成なのな!
それじゃ、野生児よりも酷いレベルだもんな」

「クロード、一言多い」

「アハハ、気にするな!」

多少イラッときたが、やはりこの服では流石に真冬はキツい。
いや、別にタンクトップで雪山を駆ける事も可能なんだけどね。
(上巻・第18話参照)

考える事は違えど…とりあえず満場一致で、ボク達は新しい服を買いに、服屋へ行く事に――――――…







「…って、何でポケモン専用の店に来てるの?」

やって来たのは、それなりに煌びやかな店舗だがポケモン専用の店だった。
ショーウィンドウにはポケモンの形のマネキンに、洋服やアクセサリーなどが身に着けられて飾られている。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ