Heroic Legend -序章の黒-
□第25話 遊園地で捕まえて
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「オラオラ、ポケモンを出しなよジーさん」
「な、何をするんじゃぁぁっ!」
「…」
こんにちは、フォリアです。
あれから何とか砂から無事に脱出し、ライモンシティに着いたのですが…。
…何かいきなりプラズマ団の下っ端達とターゲットのお爺さんが揉めていた。
「このポケモンはトレーナーから預かっておるものなんじゃ…渡す訳にはいかん!」
そう言うと、いきなりお爺さんは太極拳で下っ端の一人をボコボコにし始めた。
「えwちょwwまっ…グォォォォっ?!」
このまま行けば死ぬんじゃないかって思い始めた時…
―――――ぐき。
「ぐぉぉぉ…こ、腰がぁぁ…」
絶妙過ぎるタイミングでお爺さんの腰がブレイクしてしまった。
思わぬ形勢逆転に、下っ端達は一気に調子に乗る。
「ハハハ、バカめ! 大人しくしていれば良いものを!」
「…さっきまでやられてた人が言うんだね」
手をポキ…と鳴らしながら、ボクが真顔で言う。
「さぁ…通行の邪魔だし、お爺さんを虐めるのって酷いし、キミ達どっか行った方が良いよ」
しかし、この人達はボクをバカにしているのか、はたまたこの人達がバカなのか、逃げる気配も無い。
(…こ、この龍のような気は……っ!)
勿論、お爺さんが某バトルマンガのような事を考えているのは、作者以外分からない。
「ハハハっ! おチビちゃん一人で何が出来るんでちゅかー?」
そのセリフがツボに入ったのか、一斉に(二人しかいないが)ゲラゲラと笑いだす下っ端達。
それにキレたのは―――――――――…。
※
「…そうか、テメーらそんなに痛い目見なきゃ分かんねーのか?」
何か自分もバカにされている気がして、イラッとしたオレが思わず表へ出てくる。
「俺達ぃ、痛い目見ないと、ずぇーっっったい分からないでちゅぅっ!」
挑発のつもりで言ったかもしれないが、オレの怒りの炎を煽るには最高の油だった。
「……くっ…くくく…」
「あれあれぇ〜? どうしたの…お・チ・ビ・ちゃん!」
「…ぶっ殺す」
「「…スンマセンデシタ」」
10秒後、見る影も無いくらいに腫れ上がった顔で、下っ端達はオレに土下座していた。