Heroic Legend -序章の黒-

□第32話 対決、冷凍コンテナ
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【―――――ったく、何でウチらがこんな事…】

【文句を言うな、ジャルル。修行に来たと思えばいい】

「ゴメン、ボクのワガママに付き合ってもらって…」

【もうえぇよ。この仕事がジムへの挑戦権になるんなら、尚更や】



ボクらは、ホドモエシティの外れにある『冷凍コンテナ』という場所に来ていた。



何故、そんな場所に来ているかと言えば、それは……一時間前、この街に到着した頃に遡る――――――…。
















―――――――――――――


【やっと着いたね、ホドモエシティ…】

【もう…長過ぎよ!】

ブリッツとランプルがげんなりした様子で言う。

【フォリアの道草が長過ぎるからだな…】

「…だって、面白そうな羽が沢山落ちてたんだもん…
いいじゃないか、拾うくらい…」

【…その度、コアルヒーの大群に遭遇してたじゃないか】

ヤイバとガルダが呆れたようにボクを見る。

ジャルルは蔓(つる)で、ボクの髪の毛を引っ張った。

【このドアフォリア! 今度から節度と用法・容量を守って拾いに行くんやでっ!】

「あいだだだだだっ!
キミのツッコミにはツッコミが返しきれないよ…っ!」

こんな調子で進んで行くと、橋の終わりらへんに二つの人影が見えた。





「――――そんな、無茶苦茶な…」

聞き覚えのある声が聞こえたので人影達に近付いてみると……、


「世の中なんてみんなそうだぞ。さぁ、どうするんだ?」

「むぅ…」

「チェレン、何してるの? 通行料取られてんの?」

さっきまでバトルをしていたチェレンと、知らない大柄なおじさんがいた。

「フォリア、君って奴は……」

「哀れみの目で見るな、メガネ」

「…今度から、コンタクトにしてみようかな……」



「オイ、ワシを無視するとは良い度胸と言えるな」

ボクがわいわい話していると、おじさんが話し掛けてきた。

ウエスタン風な服装は、どことなく映画に出てきそうな感じだ。



その凄みのある声に、ボクらはビクッと跳ねる。

ジャルル達もプルプルと小刻みに震えていた。


「…すいません」

「すいません」

【すんまへん】

【以下同文】

【以下(ry】


おじさんはフン! と鼻を鳴らすと、話を続ける。

「お前ら二人がカミツレの話していたトレーナーか?」

「は、はい!」

焦りながら答えたため、声が若干裏返った。
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