Heroic Legend -序章の黒-
□第31話 ホドモエへ
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「チャンピオンの薦めるトレーナー…一体どんな人なんだ?」
チェレンは、この時間さえ待ちきれないように体を揺らしている。
…これだけ嬉しそうにされちゃ、断るのも悪いしな。
「ジャルル、行ける?」
【任しとき、ウチの見せ場やからな!】
「おじいちゃん、このひとたちとバトルするの?」
「あぁ、2対2のダブルバトルだ。頑張れよ!」
『え…』
バトルの相手を見て、ボクらは言葉を失った。
【ガ…ガキんちょやあらへんかっ!?】
ジャルルのツッコミに激しく同意する。
チャンピオンの紹介だからどんな凄腕トレーナーかと思いきや……まだ年端もいかない幼女とショタじゃないか…。
(※正確には幼稚園児です)
「なんだ…子供が相手か…」
カチャリ…とメガネの位置を直しながら、チェレンが小さく溜め息をつく。
…一応言っておくけど、アデクさんやカミツレさんから見れば、ボクとチェレンもまだ子供だからね。
まだ15歳だからね。
「えーと…この子達と…バトルですか?」
ボクは確認のつもりで、アデクさんに質問する。
アデクさんはニカッと笑いながら答えた。
「あぁ、そうだ。だが子供だからといって、油断するでないぞ」
「おにいちゃんたち、はやくバトルしよーよ!」
「え…」
「チェレン、言い出しっぺなんだし、バトルしようか?」
「ん…、まぁ…ポケモンを鍛えると思えば…」
ブツブツと呟きながら、チェレンはポケットから小さな入れ物を取り出した。
六つの窪みがついていて、それに蓋をするようにカバーが繋がっている。