Heroic Legend -序章の黒-

□第30話 チャンピオン漫遊中?
2ページ/13ページ

【うわぁっ!】

『猫騙し』が決まり、ブリッツが後ろへ吹っ飛ばされる。

「ブリッツ!」

ダッシュでブリッツを受け止めようとするが、彼の体重に吹っ飛ばされた勢いが加わったせいで、ボクも耐えきれずに一瞬に転がってしまった。


「……っく、何するんだチェレン!」

ブリッツを支えながら、前に立っているチェレンを軽く睨む。

「…何って、バトルだよ。
ボルトバッジを持つ者同士、実力を確かめ合うんだ」

「だからって、いきなり攻撃なんて…!」

「話をはぐらかそうとした君が言わないでよ」


う…。

ごもっともです、すみません。

「だって…」

「?」

しばらくモゴモゴと何を言おうかと迷ったが、あえて本音を言う。


「…チェレンとのバトルで、またポケセンへ舞い戻るのが面倒臭いんです。
何でそこの空気を読んでくれないんだよ!」

「空気読めてないのは君の方だ! 普通はバトルするのが相場だろっ!」

若干キレ気味になって叫ぶと、チェレンにキレ気味で一喝されてしまった。


いや、もっともな意見だけどさ…。

『人間には面倒臭いって時もあるんだよ』
by フォリア


【…フォリア、あの子にボコボコにされるわよ】

…って、だから読心術を使わないでw

ちぇっ…せっかく普通にホドモエに行って、さっさとジム戦やって次の街へ行けると思ってたのに…。

「こうなったら速攻ストレートKO勝ちで行くよ!」

「今度こそ…君に勝ってみせる!」


最初に動きを見せたのはチェレンとレパルダスだ。

「乱れ引っ掻き!」

鋭い爪を光らせながら迫るレパルダス。


…これって、前回同様じゃないか。

だったら…!

「ブリッツ、防御の後にすかさず脚を掴んで…」

「そう何回も同じ手を食うようなバカじゃないよ、僕はねっ!」

防御の後に素早く腕を動かすブリッツだったが、それよりも早くにジャンプで距離を取ってしまうレパルダス。

「だったら突っ張りで接近戦に持ち込むんだ!」

【うん!】

「かわせレパルダスっ!」

スピードには些(いささ)か自信のあるブリッツ。

しかし、しなやかで強靭な脚を持つレパルダスのスピードにはどうにもついていけない。

明らかに攻撃の手数が多い『突っ張り』さえも、なかなか当たらずに殆ど避けられてしまった。


【く…っ】

(…やっぱりレパルダスの動きを止めないといけない…?!)

落ち着けボク、考えろ…考えるんだ…。

きっと、何か攻撃の手はあるはず…!
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ