Heroic Legend -序章の黒-

□第29話 新技炸裂、VSカミツレ
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4つ目のバッジを賭けたジム戦。

電気タイプのエキスパートのカミツレさんは『エモンガ』を、

ボクはゲットしたばかりの『ランプル』を繰り出した。


「エモンガ、電光石火!」

素早い動きが得意なエモンガが出す『電光石火』は、避ける暇も指示も与えずにランプルに直撃する。

【く…っ!】

「ランプル、大丈夫っ?!」

【まぁ、大体素早さで撹乱(かくらん)させる戦法だって読めてるから、急所には当たってないわ】

ボクは"分かった"と小さく頷くと、ランプルに指示を出す。

「未来予知っ!」

少し先の未来に攻撃を予知する技、それが『未来予知』。

【…よし】

「攻撃が来る前に倒すわ。エモンガ、追い撃ち!」

威力は低いが、ランプルのタイプに有利な技で攻撃を仕掛けるエモンガ。

ランプルは未来予知で隙が出来てしまった為に、苦手な悪タイプの技を食らってしまった。

【うぁぁっ!】

「ランプルっ!」

よろよろとフィールドに立ってはいるが、ランプルの体力は確実に減ってきている。


なら……!

「決めるよ…サイコショック!」

「させない…! ボルトチェンジ!」

エモンガの電撃がランプルよりも早く打ち出される。

「しま…っ!」

慌ててランプルを戻そうとするが、ランプルもサイコショックを打ち出してしまった。

ボルトチェンジとサイコショックが途中でぶつかり、互いの技が相殺される。

その衝撃で土煙が上がった。

「く…っ、あのエモンガ……強い…」

やがて土煙が晴れ、カミツレさんのフィールドを見ると、そこにはエモンガはいなかった。

「い…いない…?!」

「…ボルトチェンジは攻撃と同時に手持ちポケモンと交代する技よ。
そして、今の攻撃で私のエモンガはこの子と交代するの」

そう言って、カミツレさんは再びエモンガを繰り出す。

(またエモンガ…? という事は、エモンガは2体いるって事か…)

【でも…この交代のおかげで『コレ』を食べる事が出来たわね】

え? 『コレ』って…?


しゃくしゃく…と音を立てているランプルの手(液体)には、何故かオボンの実が握られていた。


「……ランプル、それ何かな?」

【何って、フォリアのカバンからボールを失敬すると一緒に手にくっついてきたから持ってただけ】

…おいおいおいおいぃぃ!

何で持ってんだこの子ぉっ!

「…普通、ボクに返すんじゃ…」

【あぁ、細かい事は気にしないw】


…キミが言うセリフじゃないんだけど。
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