Heroic Legend -序章の黒-

□第22話 アートなる戦い?
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「ヤイバ、しっかり!」

【くっ、これしきの…事で…!】

ヤイバはホイーガを蹴り上げて脱出し、ホタチを構えた。

しかし、すぐに膝を着いてしまう。

【く…っ!】

「ヤイバ…? まさか…!」

すぐさま図鑑でホイーガの特性を調べると、ヤイバの不調の理由が分かった。

ホイーガの特性は『毒の棘』。
ヤイバがホイーガを蹴り上げた時に、毒性のある棘が足に刺さってしまったのだ。

「ヤイバ、大丈夫!?」

【し、心配無用だ…】

そう言うと、ヤイバは何処からか取り出した木の実をかじり出した。

すると、みるみるうちに彼の顔色が良くなっていく。

「それは、モモンの実…?」

一体いつ手に入れたのかが少し気になったが、今はバトルに集中する事にした。

「ヤイバ、行ける?」

【無論だ…!】

「うん、分かった!」

ボクはホイーガを見ながら、どうやって直接触らずに攻撃をするか悩み始める。

『水鉄砲』だと威力が弱すぎるから、すぐ『毒針』で撃ち落とされる…。

ここは危険を承知で『シェルブレード』を食らわすしかないのかな…。

「バトル中に考え事は命取りだよ…フォリアちゃん?」

「いえ、バトルに集中しながら考えてますよ」

そう言うと同時に、ボクはホイーガに指を差す。

「ヤイバ、一気に行こう、一気に!」

【…あぁ、川暮らしの拙者でも出来た技だな!】

「行けぇッ! 波乗り!」

「えっ、ちょっ、いきなり大技とかwww」

アーティさんがビックリしている間に、ヤイバの波乗りがホイーガに炸裂した。

【いやんっ!】

【…つまらんカマを流してしまった】

ホイーガ、一気に戦闘不能になりましたw

「…こんなのって、ありなんだ…。
良いね……! その型破りなバトルっ! 実に良い!」

アーティさんは呆けるどころか、むしろ嬉しそうに笑う。

「ヤイバ、お疲れ様。ゆっくり休んで」

【そうさせてもらう…】

ボクはヤイバを戻し、ブリッツを出した。

「さぁ…アーティさん、最後のポケモンは何ですか?」

「…ん? もう最後になっちゃったのか。早いね、時間が経つのって」

「いや、ほぼストレートKOばっかじゃないですか」

アーティさんはボクのツッコミを華麗にスルーし、目を回すホイーガを戻してから、三体目のポケモンを出した。

「僕の最高のパートナーは、この子さ!」
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