Heroic Legend -序章の黒-
□第22話 アートなる戦い?
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翼を羽ばたかせて一気に飛び上がるガルダに対して、クルマユはまとっている葉を更にキツく巻き付ける。
ボクは素早く図鑑を取り出し、クルマユのタイプを調べた。
「クルマユ…。クルミルの進化系、タイプは草と虫……か」
だったら、ダメージが4倍になる飛行タイプで正解だったな。
ボクは、旋回を続けていたガルダに指示を出す。
「ガルダ、空を飛ぶ!」
【あぁ…!】
あらかじめ空を飛んでいたので、一気に急降下の攻撃を仕掛けるガルダ。
攻撃は見事にクルマユに当たり、ユラユラと揺れ始めた。
【…更にぼー…】
「頑張ってくれクルマユ、葉っぱカッター!」
アーティさんの指示でクルマユが動き出す。
無数の『葉っぱカッター』をガルダに浴びせるが、鳥ポケモンには今一つだ。
大したダメージを負った様子もなく、涼しい顔でボクの指示を待つガルダ。
「突つく!」
トドメの突つくを繰り出し、クルマユはあっという間に戦闘不能になってしまった。
「オゥッ?! クルマユ!」
アーティさんは外国人のようなリアクションをしたが、あえてボクらはスルーした。
【…捕ったど】
よ○こかよ。
「…やるね、フォリアちゃん。正直ちょっと侮っていたかもしれないな…」
アーティさんはそう言いながら、次のポケモンを繰り出す。
一本取ったとはいえ、気を抜きたくないので一旦ガルダを戻し、ヤイバを出した。
「頼むよ、ヤイバ!」
【拙者の初ジム戦か…。さぁ、相手は誰だ?】
「行ってくれ、ホイーガ!」
アーティさんが次に出したのは、丸いが棘の沢山付いた紫ボディーのポケモンだった。
図鑑にはフシデの進化系で、タイプは毒・虫と表示されている。
「ホイーガか…。接近戦は難しいかな…」
【ぼー…】
それにしても、アーティさんのポケモンって、みんなボーっとしてユラユラ揺れているのが多いな…。
動きに惑わされないようにヤイバに視線を移して、彼に指示を出す。
「水鉄砲!」
【ハァッ!】
「させないよ、毒針!」
【おららららららっ!】
先程の様子とうって変わって、ホイーガの強力な『毒針』に、ヤイバの『水鉄砲』が止められてしまった。
【な…っ!】
「凄い…!」
「…凄いのはこれからさ!
ホイーガ、虫食い!」
ホイーガが回転しながらヤイバに接近してきて、彼の頭に食い付く。
【いだだだだだだっ?!】