Heroic Legend -序章の黒-
□第18話 白星団と黒星団
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「―――――じゃあ…休暇も楽しんだし、新しいイメージもうかんだし、僕はそろそろヒウンに戻るよ」
「俺達ももう行かなきゃな…」
「僕はアロエさんとジム戦をしてから、発つつもり…」
結局三日間熱を出し…ようやく下がった頃には、みんなは旅立ちの準備を終えてボクの所へ挨拶をしに来ていた。
「…はぁ、もっとみんなとお喋りしたかったな……」
「大丈夫だよぉ、フォリアっ! 旅してればまた会えるから…!」
ベルが見舞品のモモンの実を渡しながら言った。
「フォリアちゃん、元気になったらヒウンに遊びに来なよ。
…ジム戦も兼ねて、ね」
アーティさんはニコニコと言いながら、
「じゃ、行くね」
と言って、手を振りながら病室を出ていった。
「……元々ここって、倉庫だったんですよね」
いきなりボクに話題を振られながらも、アロエさんは丁寧に答えてくれた。
「あぁ、この町の建物の殆どがこういった倉庫だったんだよ。
ヒウンみたいなデカイ病院に入院させたかったんだけど、スカイアローブリッジを渡っていくと時間が掛かり過ぎて、逆にアンタが危険になるからね…」
「いや…大した事無かったじゃないですか」
「よく言うよ。
一週間意識不明だった挙げ句、目が覚めた途端に殴り掛かってきたくせに…」
「チェレン…もう一発殴ってあげようか?」
「いや、遠慮しとく…。今度は骨が折れそうだから」
チェレンが冷や汗をかきながら、目線を逸らした。
「まぁ、何はともあれ…みんなの迅速な判断とフォリアの回復力が今の結果に繋がった…一件落着でなによりだよ」
「そうですね、アロエさん!」
「フォリア、君まで……」
呆れ顔のチェレンだったが、これ以上は言わなかった。
「ところで…」
さっまで黙っていたネクが、険しい顔つきになりながら、話題を切り出した。
「フォリアは入院してたから聞いてないだろうけど、最近ヤグルマの森でポケモン誘拐事件が多発しているんだ…」
それまで少しざわついていたボクらは、その話を聞いて、しん……となる。
ネクに続いて、ヒョウガが言葉を繋げる。
「なんでも、手口は後ろから殴り掛かってポケモンを奪ってくっていう、至ってシンプルなやり方だ」
ボクが寝ている間にそんな事件が……。
もしかして…。
「また……プラズマ団の仕業なのかな?」
そうヒョウガに聞いてみる。