Heroic Legend -序章の黒-

□第16話 踊れヤグルマ大捜査線
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「助かるよ。じゃあ早速だけど、この子と組んでヤグルマの森に行ってきてくれないかい?」

アロエさんがボクの肩に手を置きながら言う。

アーティさんがボクを見て自己紹介をする。

「よろしく、僕はアーティ。キミは?」

「フォリアです。足を引っ張らないように頑張ります」

「何言ってるんだい…。アタシを負かした程のトレーナーだ、頼もしいくらいだね!」

アロエさんがそう言ってボクの頭をワシャっと撫でる。
ちょっと後ろを束ねていたゴムが緩んでしまったが…。

「あ、ありがとうございます…」

「うん、じゃ行こっか、フォリアちゃん」

そう言ってアーティさんが歩きだそうとした時だった。

「あれ? フォリア、何してるの?」

聞き慣れた幼馴染みの声がする。

「ベル?」

振り向くと、やっぱりベルだった。

ニコニコと手を振っている彼女の隣には、いつものポーカーフェイスのチェレン。

あれ?

その後ろに知らない青年と少年がいた。

見た目からして、同い年か年上だろう。

一人はオレンジ色の上着と横に束ねた銀髪が特徴的な青年。

もう一人は、紫色のパーカーとセミロングの髪が特徴的で、少し童顔な少年だった。

「ベル、その人達誰?」

「あぁ、この人達ね、さっきそこで会ったの」

「ベル、説明になってないだろ? …ここからは、僕が話す」

ずっと黙っていたチェレンが、ベルを遮って話し出す。

「この二人と会った直後にプラズマ団が出たっていう騒ぎを聞いて、何か手伝える事は無いかと来たんだ。
二人については、本人から聞いてくれ」

「うん、分かった」

後ろにいる二人は頷くと、チェレンとベルの前に出て自己紹介を始めた。

始めに銀髪の青年が喋り始める。

「まずは俺からだな。俺の名前はヒョウガ、よろしくな!」

続いて、セミロングの少年。
よく見ると、瞳はライトパープルだ。

なんだか山葡萄みたい…。

「今、山葡萄って思ったでしょ?」

…ごめんなさい。

「まぁ、誰でもそう思うよね。
俺はネク、よろしく」

「アンタ達、お取り込み中の所悪いんだけど、手伝ってくれんのかい?」

アロエさんが焦りの色を隠さずに聞くと、ヒョウガ君とネク君は「手伝える事なら」と言った。

その結果、アロエさんの取り決めによって、ヒョウガ君はアロエさんとシッポウシティの東側の出口を、ネク君はチェレン達と博物館の警備に当たる事になった。
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