Heroic Legend -序章の黒-

□第16話 踊れヤグルマ大捜査線
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ボクらは急いでさっきの展示室へ戻ると、プラズマ団の下っ端が10〜15人くらいいた。

「アンタ達、何やってるんだいっ?!」

アロエさんが怒鳴りながら、プラズマ団に近づいていく。

下っ端の一人がこちらを向いて腕を上げて、止まれの姿勢を見せた。

「おぉっと、ここから先は立ち入り禁止だ。何故なら俺達はい…」

「寝ぼけた事言ってるんじゃないよ!」

アロエさんが下っ端の頭を叩く。

「いてっ!
…てか、最後まで言わせろよ?!」

「「言わせねーよ」」

ボクとアロエさんが同時にツッコミを入れる。

なんだこのコント…。

「あえて聞くよ。
そのドラゴンの骨をどうするつもりなんだ?」

「よく聞いてくれた」

下っ端は嬉しそうに言う。

…聞かなくてもオチは読めるけど、ここは場の空気を読んで『あえて』を付けたんだよね……。

この下っ端、案外おバカなんじゃ…。

ボクがこんな事を考えているとも露知らず、下っ端は両手を広げて話始めた。

「よく聞けっ!
このドラゴンの骨は、俺達プラズマ団の崇高なる目的の為に…」

「あ、そこまで聞けば十分だから」

ボクが遮ると下っ端は泣き出したが、正直どうでもいい。

「…ようするに自分らの為に、ドラゴンの骨をパクらせていただきますって事だよね?」

「そ…そうだ…けど……ッグス、ちゃんと…人の……はな」

「メソメソすんな、いい大人がバカじゃねぇのか?」

流石にトウヤもイラッときたみたい。
意識が少し出てきてしまっていた。

その一言で下っ端がキレたらしく、残りの作業をしている仲間達に号令を掛ける。

「お前達! 俺達が本気だという事を、示そうじゃないか!」

プラーズマー! と歓声が上がる。

なんだよ、プラーズマーって……。

《…たく、いい大人が揃いも揃って……》

トウヤが脳内でぶちぶちと文句をたれる。

「まぁ、多目に見てあげなよ、可哀想な大人達の集団なんだから」

小声で彼をそっと宥めると、キレた下っ端がクルリとボクらの方を向いて言った。

「だから、この骨はあえてお前らの目の前で奪ってやる!」

「させないよっ!」

今のアロエさんの手持ちは、みんな戦闘不能。

それでも、骨を奪わせまいと下っ端達の前に立ち塞がる。

ボクも、アロエさんの隣に並ぶ。

「皆さん、それ盗ったら犯罪ですよー。カメラ撮ってますからねー。顔がモロバレルですよー」

【…何処の警察の警告方法なんや】
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