Heroic Legend -序章の黒-

□第15話 ナチュラルボーンママ
3ページ/8ページ

「ガイドー…さん?」

サンヨウではガイドされる前に、ポッド君達に全部説明されたけどね。

「ここのジムリーダー、アロエはノーマルタイプの使い手だ。
心して掛かれ、以上だ!」

…ガイドする意味あるの?

「ありがとうございます(一応)」

「えっ、オイw()の中身……オイwww」

ガイドーさんの呼び掛けを華麗にスルーして、ボクは一番手前の本棚にあった絵本を取り出した。

不自然にはみ出ていて、気になったからだ。

「えっと…『はじめましてポケモンちゃん』?
……ん? 何これ?」

絵本の端からはみ出すメモ用紙に気づいて、引っ張りだして読む。

メモの内容はこうだ。




"トレーナーの諸君!
アタシがジムリーダーのアロエだ。

さて、こういったメモに書かれた謎を解きながら、見事アタシの所まで来られるかな?"




そして、メモの下らへんに問題が書かれていた。

「『このジムで最初に出会ったポケモンは? …ヒントは茶色いよ』……確かさっき、男の子と戦ったな…。」

男の子が出したポケモンはミネズミが一匹。

確かに茶色いし、条件が合っている。

【なぁ、こんなんやっとったら、日ぃ暮れんとちゃう?】

…それもそうだ。

その場凌ぎの応用は得意だけど、こういった頭の使い方は苦手だ。

「…面倒くさいから、手っ取り早くアロエさんの所に行こうか」

【でも、どうやってなの?】

ブリッツが首を傾げながら聞いてくる。

「こうするの」

ボクはそう言って、地面に這いつくばった。

【…何をする気だ?】

ガルダが怪訝な顔をする。
だけど、ボクはお構い無しに静かに目を閉じた。

「昔、ママに教えてもらったんだ。
"見えないものを感じ取る時は、身体全体で感じろ"ってね……」

全身の感覚を研ぎ澄ませ、耳で聞き、風の匂いを感じて、その流れを読む…。

「…!」

おかしな風の流れを感じて、その場所を探しだす。

その流れは、ある本棚の下から流れている。

そして、本棚が引きずられたような跡も見つけた。

「…間違いない、ここだ!」

ボクはそう言うなり、本棚を思い切り押した。

ズズズズ…、と重いものがずれるような音がして、下から隠し扉みたいなのが現れる。

「やった…見つけあだっ?!」

本棚の上から本が落ちてきて、ボクに当たった。

痛みに顔をしかめながら、隠し扉の取っ手を掴んで、上に引き上げる。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ