Heroic Legend -序章の黒-

□第11話 ポケモン奪還作戦
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チェレンが変なものを見るような目で、プラズマ団を見上げる。

「…そっとしておこうよ。
ほら、『バカとアホとバカと悪役は高い所が好き』って、言うじゃないか」

「誰がバカとアホだと?!」

今のが聞こえていたらしく、プラズマ団の一人がこちらに向かって怒鳴る。

「しかも、バカって二回言ったよな?!」

もう一人も、ボクを指差しながら叫ぶ。

「…五月蝿い奴らだな……」

どうやら、バトルしかなさそうだ。
チェレンのイライラゲージもMAXになってしまったみたいだし……。

「ジャルル、そのまま縛り付けておいてね」

【おぅ、頑張りや!】

ボクはプラズマ団に向かうと、ブリッツを繰り出した。

「頼むよ、ブリッツ!」

【おぅっ!】

「なら僕も…! ポカブ!」

【りょーかい!】

プラズマ団も岩から降りてきて、ポケモンを繰り出す。

もっさりとした体に羽が生えたポケモン。

ボクとチェレンは図鑑を開いた。

「…コロモリというポケモンか……」

互いにのタイプに有利不利は無いが、レベルの差で勝負が決まる。

ボクらは同時に指示を出す。

「ポカブ!」

「ブリッツ!」

「「火の粉!」」

火の粉がダブルでコロモリ達に命中し、呆気ないほど戦闘不能になってしまった。

「しっかりしろ、コロモリ!」

ボクはプラズマ団に近付き、据わりきった目で睨んだ。

「勿論、ポケモン返すよ………ね?」

最後の「ね?」を強調させた。

「く…ここまでか……!」

プラズマ団は悔しそうに呟くと、女の子のモンスターボールをボクに突き出した。

「…確かに返して貰ったよ」

受け取ったボールからは、震えが伝わってきた。
中のポケモンも怯えていたのだろう。

「じゃ、行こうか…チェレン」

「警察に突き出さなくて良いのか?」

チェレンが不満そうな顔をするが、ポカブをボールに戻した。

「うん。最終的にこいつらがポケモンを奪ったって証拠が、あまり無いもの」
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