Heroic Legend -序章の黒-

□第11話 ポケモン奪還作戦
1ページ/3ページ

プラズマ団が逃げ込んだのは、どうやらこの洞窟みたい…。

「…行こう」

チェレンが先頭に立って歩く。
ボクもそれに続いた。

洞窟の中は地下水が溜まっていて、じめっとした湿気がなんとも言えなかった。

「頭からキノコ生えそうだよ…」

「案外美味しいんじゃないか?」

「え〜…不味いって、絶対」

他愛もない話をしながら奥へ進もうとした時に、数人の気配を感じでボクは立ち止まった。

「…フォリア?」

「静かに…。誰かいる」

ボクは石を拾って、気配がした方へ思い切り投げた。

ヒュッ――――。

ガンッ!

「〜〜〜ってぇぇっ!」

ボクの狙いは見事的中!

岩影から、頭を押さえたプラズマ団が転がり落ちてきた。

「…お見事」

チェレンが感心しながらポカブを繰り出した。

「………そこに向かって火の粉!」

と、別の岩を指して指示を出す。

ポカブは火の粉を鼻から炸裂させ、それはもう一人のプラズマ団の下っ端に命中した。

「アッチチチチィッ!?」

う〜ん、敵ながら見事なやられっぷりだよ。
特撮ヒーロー番組の悪役として出られるんじゃないかな…。

あ、どうでもいい事考えちゃったよ。

「ジャルル、とりあえず縛っとく?」

ボクが質問すると、ジャルルは意地の悪い笑いをニヤッというか、どやっと浮かべて、

【当たり前やろwww】

と答えた。

やっぱ性格悪いな…。

ジャルルは蔓で下っ端二人を縛り付ける。それもキツめに。

今日のジャルルはドSだな…。

「さて、女の子から奪ったポケモンを返して貰おうか?」

チェレンが腕を組んで、イラついた表情で言う。
多分、原因はこの湿気だと思った。

「…早くしてよ、メンドーな奴らだな」

チェレンのイライラゲージが上がる。
その時だった。

「その必要はないぜ、我が同士達よ!」

洞窟内にそんな声が響いた。

【…何や、誰や?】

ジャルルもボクもチェレンも、キョロキョロと声の主を探す。

すると、少し切り立った岩の上から、プラズマ団の下っ端が二人くらい、こちらを見下ろしていた。

その高笑いをしている様は、まさに悪役そのもの。

「…何だあいつら?」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ